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【今日のギフト】地元愛あふれる揚げあられ。〈北陸製菓〉のビーバー

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text&edit: Yoko Fujimori

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米菓を愛するあの人へ
石川県愛あふれる名作ご当地あられ

〈北陸製菓〉のビーバー

1918年から金沢の地で菓子づくりをスタートし、北陸を代表するビスケットメーカーとして知られる“hokka”こと〈北陸製菓〉。ロングセラーの「ハードビスケット」や金沢の老舗〈俵屋〉の「じろあめ(米飴)」を使用した「米蜜ビスケット」が有名だが、もう一つ、1970年の登場以来“北陸のソウルフード”として愛され続けるのが、揚げあられの「ビーバー」。

その名の由来は1970年に開催された「大阪万博」。カナダ館に展示されていたビーバーの人形の前歯と、あられを2本並べた様子が似ていたことから命名されたのだとか。インパクトのあるネーミングとパッケージデザインで、今や全国区の知名度を誇る人気商品だ。

愛嬌ある名前でも、味わいは至って真面目そのもの。
北陸産のもち米を100%使用、生地に小さくカットした日高昆布を混ぜ込み、味付けは鳴門の焼塩という良質な素材のみ。

こうした十分にこだわった素材でシンプルに作る姿勢が「ビーバー」の飽きのこないおいしさの理由であり、しかも良心的な価格で提供し続ける尊さよ。

からりと揚がったあられを頬張ると、サクサクとした歯ごたえに昆布の旨みがじんわり広がり、ほのかに甘みのある焼塩がほどよい塩っ気をプラスする。これが熱いお茶にも、そしてビールやハイボールなどの泡ものにも、最高の友となる。

定番の「カレー」や時には限定で「たこ焼き」など多彩なフレーバーが登場するが、北陸限定販売の「白えび」「カニ」は、まさに地元の海の恵みの味。地元愛あふれる揚げあられは、北陸っ子ならずとも心を掴む、小さな名品だ。

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