Eat

Eat

食べる

【今日のギフト】絵画のごとく美しい。〈吉野鯗〉の箱寿司

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text&edit: Yoko Fujimori

連載一覧へ

寿司を愛してやまないあの人へ
大阪伝統の見目麗しい押し寿司

〈吉野鯗〉の箱寿司

天保12(1841)年創業、180余年の歴史を刻む〈吉野鯗(よしのすし)〉。船場の町に店を構え、大阪名物・押し寿司の祖と称される名店だ。看板の「箱寿司」は、檜製の二寸六分(約8.5cm)角の木型にシャリと具材を重ねて作る押し寿司。

天然穴子に注ぎ足しのタレをかけて焼き上げた「活焼穴子(いけやきあなご)」をはじめ、肉厚な椎茸を柔らかく炊き上げた「潰司椎茸(つぶししいたけ)」、新鮮な小鯛に塩を打って酢でしめ、一晩寝かせた「活小鯛(いけこだい)」、さらに海老や厚焼き玉子など、丁寧に手をかけた良質な具材がちりばめられている。その具材の色とりどりの美しさから「二寸六分の懐石」と謳われるほど。

箱から大事に取り出して味わうと、天然穴子の香ばしい風味や活小鯛の心地よい酸味、さらに肉厚の椎茸からは旨味がジュワリとあふれる。「日本晴」など西日本産の硬質米を炊いたシャリはしっかりと具材と馴染み、噛むほどに甘みが増す。素材の良さと味付けの品の良さから、最後の一貫まで食べ飽きることがないのだ。

この絵画のごとく美しい箱寿司、なんとお取り寄せが可能(一部地域を除く)。改まった席にも安心してお持ちできる、ハレの日のギフトだ。

連載一覧へ