餅菓子を愛するあの人へ
魚河岸育ちの粋な名作串団子
〈茂助だんご〉の「茂助だんご」
上より、つぶ餡、こし餡各1本210円。ちなみに「茂助だんご」はかの名曲「だんご3兄弟」のモデルとしても広く知られている。ほかに香ばしい「醤油」もあり、こちらは一串に4粒。1本190円。 
ギフト用ボックスも用意されている。箱代180円。 
魚河岸と縁の深い店ならではの、波の紋様と投網が描かれた包装紙。
創業1898年、日本橋に魚河岸があった時代に初代が店を始め、その後築地市場へ、現在は豊洲市場に本店を構える老舗の餅菓子店。〈茂助だんご〉はまさに江戸の魚河岸とともに歴史を育む店だ。
草餅やあんみつなど人気商品は多いが、やはり主役はコロンとした3粒の団子がお行儀よく並ぶ「茂助だんご」。市場に通う東京屈指の目利きたちが贔屓にする店だからこそ、素材も仕事も妥協がない。自慢のあんは、北海道は十勝の契約農家から届く粒よりの小豆と、純度が高く雑味のない甘みが特徴の鬼ザラ糖が味の要。もっちりと弾力がありつつ歯切れのいい団子は、福島県産の特上コシヒカリで作る上新粉から生まれる。
つぶ餡は小豆の皮の歯ざわりとともに豆の風味が芳醇に広がり、こし餡は凪の水面のごとくすーっと清らかに溶けていく。このクリアな餡の甘みこそ〈茂助だんご〉の誇り。「甘いものは苦手だけどこれだけは別」と買い求める辛党も多いとか。
小ぶりな3粒のお団子も負担なく食べ切るのにちょうどいいボリューム感。気取らず、でも隅々まで気の利いた、粋な江戸の手みやげだ。
