食事を愛するあの人へ
ワインのように複雑で芳醇なノンアルドリンク
〈Non-Alchemist〉のノンアルコールドリンク
チロリペカ（左）、ペルーロ（右） 各720ml 2,970円。 
ほかにオレンジワインをイメージした「ヴァンクリフ」、ロゼのフレッシュ感を表現した「マリカ」「チャールズ」の全5種類。 
アルコールが制限されたコロナ禍を経て、日本でもノンアルコールドリンクを“前向きに”楽しむ動きが出てきている。お酒は飲めるけれどあえて飲まないライフスタイルを指す「ソバーキュリアス」なる言葉も見かけるようになり、そんな需要に応える形で、より複雑に、料理との調和を考えたノンアルコールドリンクが登場している。
中でも注目のニューフェイスが「ノンアルケミスト」。アルコールを一切使わず、ブドウジュースやハーブ、スパイスなどの食材を使って味わいを再構築する、その名もオルタナティブアルコールドリンク（＝アルコールの代替品）。発酵の過程で生まれる化合物（酒石酸）をブレンドして醸造酒のような味わいを演出するなど、その味の「設計」がとにかく面白い。
たとえばナチュラルワインの赤をイメージした「ペルーロ」なら、赤ブドウジュースを軸に、りんご（紅玉）の果汁やハイビスカスティーで重層的な酸味を表現し、ワイン特有の収斂（しゅうれん）味をビターシロップで、土っぽさは生姜やビーツで演出し、さらに昆布でナチュラルワインらしい“とろみ”とミネラル感まで出すという芸の細かさ！
白ワイン的味わいを再現した「チロリペカ」は、白ブドウジュースをメインにグレープフルーツやパイナップル果汁でトロピカル感を、ミントやライムのグリーンの香りで爽快感を、さらに白トリュフのアロマが魅惑的な効果を出し、ナチュラルワイン特有の臭みである“還元臭”までも感じさせる懲りよう…！その刻々と変化する複雑な味と香りの広がりは、確かにワインを楽しむ充足感そのもの。
“酔わずに”料理とのマリアージュを楽しめる、味覚のニューワールドだ。
