京菓子を愛するあの人へ
姿も愛おしい、小豆の名店の看板銘菓
〈宝泉堂〉の賀茂葵
1947年、京洛北の下鴨に創業した〈宝泉堂〉。小豆製品の卸販売として歴史を刻み、1999年より直営店舗〈あずき処 宝泉堂〉を開業。京菓子の命と言うべき丹波大納言のおいしさを伝える店として知られている。
毎年現地へ足を運んで選び抜く最高品質の丹波小豆や丹波大納言を生かした菓子が店の真髄であり、代表銘菓の一つが2006年頃に誕生した「賀茂葵(かもあおい)」。
店主の古田泰久氏が総代を務める下鴨神社の神紋「双葉葵」にちなんだもので、5月に行われる賀茂祭は別名・葵祭とも呼ばれ、葵の葉は神社を象徴する存在といえる。大粒の丹波大納言を炊き上げ、寒天で固めたシンプルな菓子で、保存料などは一切不使用。口に含むと丹波大納言の品のいい香味がすうっと広がっていく。
ハートを思わせる葉の形は店主自身がデザインし、あんを流し込む型も特注したもの。双葉葵が描かれた正方形のパッケージは、ポチ袋を手渡すような楽しさもあり、ちょっとした手土産に最適。賀茂神社のゆかりある菓子店から生まれた、愛らしい京みやげだ。