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今日のギフト:〈神田淡平〉の元祖激辛煎餅

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text&edit: Yoko Fujimori

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超辛党のあの人へ
老舗の名作“激辛”せんべい

〈神田淡平〉の元祖激辛煎餅

神田の地で6代続く老舗煎餅店〈淡平(あわへい)〉。東京では特に希少な「生地から自家製造」を貫く店でもある。伝統製法を大切に守りつつ、ユニークなフレーバーを開発することで知られ、中でも代表作となっているのが「七味山椒煎餅」と「激辛特唐辛子煎餅」の“ピリ辛”2種。

まだ辛い煎餅が珍しかった1970年代に4代目が考案した「七味山椒煎餅」は、白ごまに山椒、青海苔、七味唐辛子をたっぷりとまぶしたピリ辛の初代であり、今もトップクラスの売り上げを誇るロングセラー。4種の配合具合が絶妙で、袋に残ったピリ辛のもとをふりかけ代わりに楽しむファンも少なくない。

そして「七味山椒煎餅」登場の約1年後、神田のビジネスパーソンからの「もっと辛い煎餅を!」というリクエストにより誕生したのが「激辛特唐辛子煎餅」。4代目が命名した「激辛」という言葉は1986年の流行語大賞を受賞し、“激辛”の名付け親としても歴史に刻まれている。

一味唐辛子を極限まで練り込み、生地を焼き上げた後さらに表面にまぶした一味のダブル構造。まぶすだけでなく練り込めるのは生地から自社製造しているからこそ。割った煎餅の側面が真っ赤なのはその証しだ。

大波のように押し寄せる辛味、だがそれだけではない、奥から現れる唐辛子の旨味とうるち米の旨味。そこに煎餅職人のこだわりが息づく。辛さを超えたウマさに出会える、不思議とクセになる一枚。

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