お茶の時間を愛するあの人へ
禅の境地を表現した端正な京菓子
〈京菓子司 末富〉の行雲流水
1893(明治26)年創業、京都屈指の〈京菓子司 末富〉。京の季節の移ろいを表した主菓子のほか、通年楽しめる定番菓子も名作が揃う。
「行雲流水」は、厚めの麩焼き煎餅に白砂糖と黒砂糖をひいたお菓子で、茶席でも愛される一品。
「末富ブルー」と称される、日本画家・池田遥邨画伯による艶やかで品のいい色目の包装紙を開くと、中はストイックな市松模様の世界。その対比も美しい。堅めに焼かれた麩焼き煎餅をカリリと齧ると、ほのかな甘みがうたかたのように消え去る。味わいも佇まいも実に端正だ。
名前の由来は無念無心の境地を表す禅語、「行く雲」「流れる水」から。命名は臨済宗「東福寺」前管長の福島慶道老師。抹茶や煎茶、あるいはコーヒーに合わせて味わえば、しばし“無心”のひとときへと誘(いざな)ってくれる。
行雲流水 2,592円(缶入り24枚) ほかに箱入り12枚1,296円もあり。