Eat

Eat

食べる

【今日のギフト】溢れるフルーツ感。〈LoDYc chocolate〉の「タブレット」と「ボンボンショコラ」

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text & edit: Yoko Fujimori

連載一覧へ

チョコレートを愛するあの人へ
カカオの風味が立体的に開花するボンボンショコラ

〈LoDYc chocolate〉の「タブレット」と「ボンボンショコラ」

今年7月、東京・文京区千石の住宅街にそっとオープンした〈ロディックチョコレート〉。フランスのチョコレート界の重鎮、パトリック・ロジェのアトリエで10年にわたりスーシェフを務めたショコラティエ、山内大輔さんの待望の店舗だ。

ギャラリーのような設えの店内には、焼き菓子などのプロダクトがアート作品のようにディスプレイされているが、特に山内シェフが主軸とするのがさまざまなカカオ豆から生み出すビーン・トゥ・バーのタブレットと、そのタブレットから生まれるボンボンショコラだ。

カカオ豆が持つ本来の香りを際立たせるため、山内シェフがたどり着いたのがプロダクトごとにカカオ豆の加工から変えていく「オール・クチュール・チョコレート」の手法。

たとえばタブレットはすべてシングルオリジンだが、同じカカオ豆でもロースト具合を変えたものを2種類から4種類ブレンドすることで、香ばしいロースト感と、焙煎で消えてしまうデリケートな香りを共存させている。メロンやラズベリー、柑橘など、驚くほど瑞々しくフルーティーな香りが溢れるのはそれゆえ!

そしてフルーツボンボンは、そのタブレットごとのカカオ豆の個性を、実際の素材を使い“立体的”に構築したもの。つまりバナナの風味が特徴の「ガーナ ディアソ」にはバナナの果汁にクローブ、バニラ、シナモンといったスパイスを伴奏させてまろみのある味わいを構成し、柑橘系の香りが広がる「ベネズエラ チュアオ」にはライムとレモンの果汁にレモンバーム、レモングラス、ペパーミントのハーブで明るいイエローグリーンが目に浮かぶような柑橘の爽やかさを表現……といった具合。それはまるで、カクテルや料理を作るプロセスのよう。

同じカカオ豆のタブレットとボンボンショコラを合わせて味わい、その風味の“進化”を楽しむのも面白い。

鮮やかなブルーをブランドカラーにした、洗練されたパッケージデザインもみやげ話になるはず。チョコレート愛好家はもちろん、料理好き、お酒好きな味の分かる友人に贈りたい、話が弾むショコラだ。

連載一覧へ