“お洒落なゴルフ”を考える。スタイリスト、フォトグラファー、プロキャディが導いた7つのポイント

剛はゴルフ始めたの？

ちょうどやる気に火がついたところで。喜多尾さんは小学生からゴルフ部ですよね。この話を参考に一式揃えたいと思っています。

おっ、これから！ゴルフ仲間が増えるのは嬉しいですね。

せっかくなら、服装込みで“お洒落なゴルフ”を覚えようよ。

プレーが通好みとか、シャレてるとか、そういうことですか。

惜しい。プロキャディとして世界を知る進藤くんはわかるよね。

もちろん。例えば、ボールマーク選び一つにしても、どんなものを使うかでその人が出るんですよ。

最近デカマークが流行りだけど、あれがパターのライン上にあると気が散ってしょうがなくてさ。

一緒に回る人のことを考えて、小さいコインを使うとか。ゴルフを深く理解している人って、所作や道具選びからしてまるで違うんですよ。

そういうエチケットや作法に“お洒落”は宿るのか。

服選びも同じでさ、ゴルフ文化をよく理解しておかないと。

そう言われると壁を高く感じて、初心者の心を打ち砕くんですよ。

ごめん、ごめん。

でも実際のところ、会員制が根強い日本はまだ服装に関してうるさいゴルフ場が多いんですよ。

進藤くん、ありがとう。これが河川敷とかパブリックなゴルフ場なら話は別ね。服装は自由だから。

なるほど。でもまだまだ襟付きのイメージがあるんですね。

そうなんです。ゴルフ発祥の英国の文化がベースにあって。

厳しいところは、フロントで帰されることもあるから。

それは格好つかないですね。

クラブハウスでジャケットを羽織るのもホストへの気遣いで、自分が招かれたゲストであることを忘れないようにしないと。

なるほど、そういう背景が服選びの根っこにあるのか。

けど最近は少しルールが緩くなって、ハイネックはありだね。

そうですね。まだまだゴルフ場の考え方次第ですが……。あとは、トップスの裾をどうするかも。

上品なニットポロなら、裾をアウトしてもいいよね。

マナー的には問題ありませんが、僕は絶対イン。その方がシャキッとして集中しやすくて。

精神性が重視される競技だからね。それで言うと、トップスは速乾性のあるポリエステルがいいよ。

夏場とか、ただでさえ汗でビチョビチョなんで、それはメモ！

伸縮性も抜群で、肩も腰もよく回りますしね。

ゴルフは機能優先で、“お洒落は我慢”は通用しないのか。

突き詰めればですね。思い通りのプレーができずに心を乱される時もあるので、服が足を引っ張ることは避けないと。

年を重ねるとともに心を乱すストレスも変わってきてさ。お腹がぽっこりするとベルトが辛くて。

バックルが大きいと、しゃがんだ時にお腹に食い込みますよね。

そこでノンストレスのパンツを作ったよ。腰の後ろがゴムになっているからべルトなしで穿けるよ。

それは助かりますね！

あと年配はゆとりがある方が楽だね。ただ生地が余るとクラブのグリップがスイングの時に引っかかりやすいから、塩梅が大事。

色選びはどうしています？

僕は明るめのネイビー。緑が生い茂るフィールドって、普段よりツートーンアップするくらいじゃないと地味になっちゃうから。

色の話で言うと、勝負カラーってありますか。

おっ、キャディらしい視点。

（松山）英樹なら黄色みたく、その人が強く見える“持ち色”ってあるなって思うんですよ。

そういう自分だけの色を小技で効かすのも粋だね。例えばソックスとか。

僕も真似したい。

普段磨いたトラッドの装いはゴルフでも生きるよ。ベージュパンツを軸に小物で遊ぶとかね。

これから秋にかけての防寒対策はどうすればいいですか？

防寒とはいえ、肩が回るようにしておきたいから、ニットもナイロンもベストがおすすめです。

それで寒くないですか。

体を動かしていると、意外と大丈夫だよ。まずは一緒に回った方が覚えるのも早いね。

いや、まず打ちっ放しから。

ビビってないでさ、技術もマナーもコースに出ないと“お洒落なゴルフ”は身につかないよ。