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「撮影は、思いもしないことの連続だった」総監督・白石和彌が語る、『極悪女王』の舞台裏

1980年代の女子プロレス黄金期の裏側を描くドラマ『極悪女王』。その撮影秘話を、総監督・白石和彌が語る。

illustration: Shigeki Okada / photo: Naoto Date / text: Ryoko Iino

もうちょっとマッチョなものになるのかと思っていたけど、違いましたね

本作品の総監督を務めた白石和彌さんは、このドラマの撮影が「思いもしない」ことの連続だったと語る。

監督・白石和彌

「最初は『極悪女王』のタイトルの通り、“非道の限りを尽くしたダンプ松本が、日本全国から嫌われても我が道を行く”みたいな、マッチョな話になると思ったんです。でも、ダンプさんや長与さんといった当事者の方々の話を聞くと違うなと。

プロレスに憧れた少女たちが超男社会な全日本女子プロレスに入り、お金儲けの道具にされるのだけど、その中でも命を燃やしてプロレスと向き合って。みんなピュアなんですよ。

そして、それをドラマとして再現したわけだけど、道場で練習する姿を見て、“この人たちは本当に入門したんだ”と思ったくらい、半ばドキュメンタリーのように俳優たちも頑張ってくれた。さらには試合シーンの撮影が終わると、レスラー役の人がリングに上がって四方に挨拶するんだけど、それこそエキストラの中には当時の試合を生で観ていたという方もいて。“頑張れよ!”って、本当にレスラーを見守る感じだったんです。僕らの想像が及ばないところまで、いろんな方に助けていただいた。

この作品はダンプさん、長与さんはじめ、プロレスラーの彼女たちがやってきたことの歴史の重さであり、それに負けない熱量で向き合った俳優たちの力でしかない。出来上がってみると、そういう“何かをすることの尊さ”みたいなものが描かれていました。こんな作品は二度とできないです」

白石和彌の沁みるワンシーン

Netflixシリーズ『極悪女王』
ヒールレスラーとして1980年代の女子プロレス黄金期を盛り上げた、ダンプ松本のデビューから引退までを全5話で描く。ビューティ・ペアやクラッシュギャルズといった人気レスラーや、彼女たちの育ての親である松永兄弟など、“あの頃の女子プロレス”に命を捧げたキャラクターたちにも焦点を当てた、群像劇でもある。企画は鈴木おさむ、総監督は白石和彌が務めた。

Netflix『極悪女王』の舞台裏が沁みる!