ジャズのセッションが、寺院で開催される意味
小誌ウェブサイトにて、DJのTonydotさんから、現在の活動拠点であるロンドンのジャズシーンについて話を伺う機会があった。その際、ダルストンにあるレーベルも兼ね備えたスタジオ、トータル・リフレッシュメント・センター(以下TRC)で、音楽家同士のジャムセッションが盛んに行われていること、さらに、TRCに縁あるミュージシャンが招聘(しょうへい)され、教会を借り切った『Church of Sound』というセッションライブが開催されていることを聞いた。
シャバカ・ハッチングスが在籍するコメット・イズ・カミング、ヌバイア・ガルシアらが出演し、毎回熱狂的な盛り上がりを見せているという。Tonydotさんの話によると、TRCを運営し、イベントも主催するレックス・ブロンディンとスペンサー・マーティンが、日本でもイベントの開催を画策しているという話題も挙がった。
そんな計画が実現する。それが『Temple of Sound』シリーズだ。9月22日の築地本願寺の『Temple Expansion』を皮切りに、大阪と神奈川のライブハウスなどを含む合計5ヵ所。本願寺の公演に出演するのは、ロンドンの名門ワープ・レコーズからは『Loggerhead』を発表したバンド、Wu-Lu。また、メルボルンからアリーシャ・ジョイの出演を予定。日本からはエルムホイをリーダーに石若駿、マーティ・ホロベック、小林うてな、Taikimenが参加するermhoi with The Attention Please。さらに、石橋英子の出演も予定されている。また、27日のBillboard Live Yokohamaのセッションには、日本とフランスをルーツに持つ深谷玄周が参加するゴースト・イン・ザ・テープスが出演。
『Temple of Sound』は、基本的に即興のセッションで進むライブイベントゆえ、演奏内容やライブ時間は未定。しかし、世界各国の注目のメンバーが集結していることから、ジャズやアフロビート、さらに電子音楽まで、ジャンルを横断した演奏が繰り広げられることは間違いない。どこまで盛り上がるのか、今から楽しみだ。