ティーバッグの
カタチと材質
ティーバッグの誕生は19世紀末。茶葉の計量の手間を省くため、1杯分の茶葉をガーゼに包んだティーボールが英国で発明された。そのアイデアをもとに市販化されたティーバッグの材料は、ガーゼから紙へ、ナイロンへ、ついには植物のデンプンを原料にしたバイオな新素材にまで広がった。
同時に、詰める茶葉の大小、ストレート用かミルクティー用か、カップ用かポット用かなど種々の条件に応じてバッグの形も変化。1854年創業の〈マリアージュ フレール〉はティーボール派の最古参にして、今もその歴史を守り続けている。
エンべロープ一種とっても、漉紙、麻を使った不織布、無漂白パルプなどの素材違いがあり、生地の厚さも、紐の留め方も多種多様。エンベロープ形ダブルバッグはイタリア〈アイマー〉、ナイロンバッグは日本〈フソー〉製が世界トップのシェアを誇っている。
茶葉の大小と
ティーバッグ
オレンジ・ペコーとはオレンジ風味の茶にあらず。ではその意味は?茶葉の形状や等級を表す用語を覚えれば一番おいしい飲み方も明快。そして、茶葉の形状、大きさは、ティーバッグの材質選びをも左右する。
![ナイロン素材のティーバッグ](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/06/42ab4e1ec72740b7d3ed89955bee2571.jpg)
![不織布素材のティーバッグ](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/06/d812fb9696d2a265893510402896ae5c.jpg)
ティータグは
集めると楽しい
1辺2〜3.5cmが主流の小さな世界。正方形、長方形、四隅を落とした八角形、二つ折りにしたり、ティーポットをかたどったりのバリエーションが楽しく、コレクターも多いのがティーバッグのタグ。ブランド名やお茶の種類に加え、淹れ方まで書いた親切なもの、名言付きの個性派も。
![様々なティータグのデザイン](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/06/d269495bf6ba135aff6128dcc6c80612.jpg)
![〈ヨギチャー〉のティータグ](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/06/7046f72432f082120714aebc648432fc.jpg)
いよいよ紐が
気になってくる
ティーバッグから伸びる紐を見つめてみれば、その艶、白さ、長さ、太さの差異に気づく。タコ糸のごとき武骨者、糸と呼びたいほどに繊細なもの、無漂白コットンを鎖状に編む〈シロッコ〉、ピュアコットンを撚る〈ヨギティー〉など。紐の表情が気になってくればいよいよ上級ギークスだ。
![〈シロッコ〉〈ヨギティー〉のティータグの紐](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/06/62c26c080d189ced94f6aa938dbe7c1a.jpg)
美しすぎる
ティーバッグ
トウモロコシ・セイブ・ジ・アース⁉土に還る、トウモロコシ由来の新素材を手作業で縫って作られるティーバッグの美しさが話題だ。アメリカのハーブティーブランド〈マイティーリーフ〉の逸品は、2006年に米スペシャルティコーヒー協会「ベストニューパッケージング」賞を受賞。
![〈マイティーリーフ〉のティーバッグ](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/06/f50fe77b68f4dcca655bddc6df42abb3.jpg)