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ラーメン愛の集大成!〈サニーデイ・サービス〉田中貴によるエッセイ『ラーメン狂走曲』

エッセイ『ラーメン狂走曲』を刊行したロックバンド〈サニーデイ・サービス〉のベーシスト・田中貴さんにインタビュー。

Text: Emi Fukushima

店主らしさが詰まった、
旨い一杯を求めて。

「"旨い店"なら、世の中にいっぱいあるんです。ビジネス的に計算されているようなお店もありますし。でもそれと"いい店"はまた別です」。そう語るのは、ロックバンド〈サニーデイ・サービス〉のベーシストにして無類のラーメン好き、田中貴さん。

「どんな立地でどういう店構えにするか、看板や店名はどうするか、それらも含めて全部がその店の味。店主の試行錯誤と思いが詰まった、オリジナリティ溢れるラーメンが好きです」

1日に2杯、多い時は3、4杯を食すこともあるという田中さん。コロナ禍では思うようにラーメン屋に足を運ぶことが難しかったが、本業のバンド活動で2年ぶりにツアーを行うことができた昨年、全国各地のラーメン屋巡りも久々の解禁となった。

「どの地方にも、久しぶりだから行っときたいなというお店があって。朝・昼・晩の3食分はもちろん、リハーサルが終わった後、本番前などにコソッと一人で行くこともあります。メンバーやスタッフからは、"15分くらい姿が見えなかった気がするんだけど、もしかしてラーメン行ったんじゃない?"って、だいたいバレるんですが(笑)」

とどまることのないラーメン愛を抱く田中さんだが、このたびラーメンコラムが一冊の本にまとまった。表紙に並ぶ数千杯ものラーメンは、すべて田中さん自身がお店に足を運び、味わったものだ。

「改めて並べてみると、壮観ですよね。写真を撮るようになったここ12〜13年ほどで、食べたのは7,500杯くらい。厳選しましたが、スペースが足りません(笑)」。

音楽と絡めた独特のラーメン評を楽しめるだけでなく、店主たちのストーリーも垣間見える本書。田中さん流の"いい店"を、お腹いっぱい楽しもう。