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切り絵作家・YUYAの棚。大切な記憶が眠る、素朴な民芸品

ある特定の視点でものを蒐集、選別、編集する。そんなキュレーション的な視点で、自宅や事務所に魅力的な棚を作っている人を紹介します。

photo: Masaki Ogawa / text: Asuka Ochi / edit: Tami Okano

大切な記憶が眠る
素朴な民芸品

旅や日常で見つけたオブジェやアートに囲まれて暮らしていたチャールズ&レイ・イームズ。彼らの住まいに憧れ、6年前に棚が主役の小さな家を構えたYUYAさん。3階の屋根裏部屋には、ここ10年ほどで収集した郷土玩具や民芸品の一部が大切に並べられている。

「商店街のリサイクルショップで三角だるまを手に入れたのをきっかけに、郷土玩具に興味を持ちました。それから民芸品店や骨董市などを覗くようになって、日本各地の民芸品のほかに、メキシコやペルーのものなども集め始めました。愛嬌があって素朴で、心が和むものが好きですね。家の雰囲気に馴染むものを選んでいます」

買う時はただ闇雲にではなく、棚のどこに置くかも考えるという。

「全部きちんと飾ってあげたいので、しまわないといけないものは買わないようにしています。買った時の記憶は鮮やか。棚には夫婦の思い出が詰まっています」

切り絵作家YUYAの棚
工芸品の質感や色合いが引き立つよう、背面は白色に。横幅約3m、奥行き約20㎝。自ら図面を引き、友人の建築家に造り付けてもらった。