田口令子(YLÈVE デザイナー)
あなたの秋冬の定番のスタイルを教えてください。
ニットに、インナーは〈サンスペル〉のTシャツ、それにパンツとスニーカーを合わせることが多いです。ちなみに、〈サンスペル〉のロンTは、ストックを用意しているほど愛用しています。
そのスタイルに欠かせない、「あたたかい服」はなんですか?
〈イレーヴ〉のカシミヤのニットロンTです。デザイン的にはシンプルなクルーネックプルオーバーですが、袖と裾をリブなしにしているので、ロングスリーブTシャツのように裾にインしたり、袖をロールアップしたりして気軽に着られるのが気に入っています。もともとは、旅先で急遽購入したメンズのカシミヤニットが寒暖差のある初夏にTシャツの上に着るのにちょうどよくて、それをヒントに構想から数年越しでアレンジして作ったものなんです。
着ると心があたたかくなるような、思い入れのある服はありますか?
祖母と母から受け継いだ、2つのパールのネックレスです。祖母から譲り受けたものは、糸を直してフレンチヴィンテージアイテムと合わせています。母から贈られたものは、欲張って2連に仕立て直してもらい、母とシェアしながら楽しんでいます。家族から受け継いだものをいつか自分も渡せたらいいですね。
小俣弦也(〈WAKE.〉店主)
あなたの秋冬の定番のスタイルを教えてください。
生まれも育ちも北海道なので、雪との共存がライフスタイルの必須条件。そのため毎日ダウンジャケットを着ています。一方で、年齢を重ね家族も増え、機能性を重視するようにもなりました。
そのスタイルに欠かせない、「あたたかい服」はなんですか?
長年愛用している〈ムーンストーン〉のリバーシブル中綿ベスト。ベストがとにかく好きで、同じくらいアノラックやプルオーバーが好き、そしてリバーシブルも好き。そんな自分にこれ以上ないほどハマった一品で、10年くらい前から重宝してます。セオリー通りハードシェルのインナーとして着たり、軽量のシェルジャケットの上から被ったり、年に数回着るジャケットスタイルのハズしにも使えます。機能性、デザイン性、共にベストな一着ですね。
着ると心があたたかくなるような、思い入れのある服はありますか?
父親のクローゼットから勝手に借りた〈マックレガー〉のポロシャツ、80s〈デサント〉のダウンジャケット、90s〈ザ・ノース・フェイス〉のシェルジャケット。洋服に興味を持ち始めた12歳頃に、両親のクローゼットから自分が着られそうなものをよく探していた記憶が(笑)。
ファッションに関する感覚は、中学、高校で影響を受けたものが根幹になっていますが、強烈に何もない田舎育ちであったことが逆に、創造性を育んだのではないかと感じています。無意識に生まれていた洋服との距離感と、ファッションが格好いいと感じる初期衝動や直感みたいな部分が、前述した両親のクローゼットにあったアイテムたちによって培われていたのかもしれません。
柏崎亮(Hender Scheme デザイナー)
あなたの秋冬の定番のスタイルを教えてください。
動きやすい格好がいい時はダウンジャケット、それ以外はウールのコートをよく着ています。
そのスタイルに欠かせない、「あたたかい服」はなんですか?
辛子色のカーディガンは大学生の頃、地元・町田の古着屋で買ったもの。当時からボタンを1つ掛け違えて着るのが定番なのですが、特別な理由があるわけではなく、色々とズレていたんでしょうね(笑)。胸にとても小さなハートのピンズを付けています。
旧知の仲のイゾルデが手がける〈ポリプロイド〉のカーディガンは確か5年くらい前、ブランドがデビューしたばかりの頃のものだったと思います。〈プラダ スポーツ〉のフライトキャップはおそらく子供用。これもバックパッカーをしていた大学生の頃に訪れた、イタリアのアウトレットで買った思い出の品。本当はACミランの試合が観たかったのに、すれ違いで日本で親善試合を行っていて肩透かしを食らったのを覚えています。
着ると心があたたかくなるような、思い入れのある服はありますか?
高校生や大学生の頃からずっと気に入って着ている、なんでもないヘボTが何着か。ほとんどが町田の古着屋か代々木のフリマで買ったものです。他人とは共有できない、自分にしかわからない価値がある点に魅力を感じます。