想像的なエネルギーで、
見つめ直せば。
「本来作品作りは、アーティストが展示を行う国に赴き、現地で作り上げる必要があります。直接話せないことに頭を抱えましたが、ポストコロナは遠隔で繋がる時代であることを鑑みて、新しい形の制作に挑むことにしました。
全体に通じるコンセプトは“花”。アーティストのアイデアを種として、現地で育て花を咲かせてもらいます。例えば世界中で披露されているベンソン・ツァイのダンス作品《浮花》は、初めてリモートで日本のダンサーに振り入れ。信頼関係の構築に時間をかけていたのが印象的です。リー・ミンウェイは自身の表現を託した“シードダンサー”を日本に1人送り込み、90分間のパフォーミングアートを完成させます」
注目はバーチャル会場。現代アートの分野において、実験的にバーチャル技術力を駆使している気鋭の台湾若手アーティストの作品が数多く集まった。
「音楽会、演劇、アニメーションや映画など様々な切り口で作品を見てもらえます。台湾は、コミュニケーションを重要視する文化。力を合わせてコラボレーション作品を作ることは台湾人ならではです。特にバーチャル会場のコンセプト構想からデザイン、技術開発まで務めたNAXS corp.の仕事ぶりは勉強になりました。ほかの目線を柔軟に取り入れた作品になっています」
台湾で、劇場やアートイベントに携わる2人。台湾の現況が詰まった今回の展覧会から感じた現地のアートシーンの魅力とは。
「台湾アートは多様性があります。台湾語・中国語・客家語・16に及ぶ原住民語など言語も文化もバラバラな中で育っていることもあり、アーティストの伝えたいこと、観客の文化背景も多様。なので、一つの作品から様々な解釈を良しとしているのが楽しく、作品と対話できる場所だと実感しました」(ホウ)
「台湾は世代交代が激しいんです。日本と比べると若く、生命力が強い作家が多い印象。観客も若いので、新しいことにどんどんチャレンジしています。政府からのサポートも手厚く、検閲も何もない。自由に、若手が作品発表できる場所が多いのもアートに元気がある理由の一つだと思います。
また、社会的メッセージも強い。助成金をもらって、国に対する不満を伝えている作品もよく見ます(笑)。政治や環境問題などに関心が強く、そうした社会意識から作品を作り、世界を変えたいと思っている人が多いです」(新田)
多様な世代やコンテンツがリミックスされた今回のイベント。台湾アートを通して、新たな価値観を発見できるかもしれない。
日本と台湾の美術家が
現地のアーティストと交錯する。
マイケル・リン×アトリエ・ワン《Untitled Gathering (Tokyo 2020)》(東京/丸の内)
やなぎみわ×南台湾の歌仔戯3大劇団 《阿婆蘭(アポーラン)》(台湾/高雄)
現地スタッフ推薦!
今見るべき3組の台湾アーティスト。
唯一無二のダンス表現。
ベンソン・ツァイ
ユニークな、一人サーカス。
ヤン・シーハオ
"集団"で作る哲学的アート。
NAXS corp.