台湾のチョコレート業界が、熱い視線を注がれている。最南部の屏東縣で力を入れているカカオの栽培しかり、国際大会で好成績を収めるショコラティエの存在しかり。一度食べたら虜(とりこ)になってしまうブランドはこちら!
〈YU CHOCOLATIER 畬室〉(台北)
人気ショップの記憶に残るボンボン
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2021年、髙島屋のイベントで日本に初上陸して、ますますファンを増やしているブランド。ショーケースに並ぶボンボンショコラは、米酒、コショウウイスキー、ゴマ油、烏龍茶など個性的。「何がチョコレートと合うか考えると、台湾らしい食材が自然と浮かぶのです」とショコラティエの鄭畬軒さん。
台湾産カカオを使ったものも、もちろんある。21年にリニューアルした店内はボンボンの内部をイメージ。棚には台湾産をはじめとするウイスキーが並ぶ。男女問わず一人での来店が比較的多く、ウイスキーは女性に特に人気。
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〈TERRA〉(台北)
カカオを熟知するBean to Bar専門店
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カカオ豆の仕入れからチョコレートになるまで一貫して製造する、Bean to Barに楊豐旭さんが興味を持ったのは、北海道旭川のチョコレート工房を訪れたことから。大学で園芸を専攻し、開発途上国で農業指導をした経験も、カカオ豆の産地開拓に生かされている。
ほろ苦さを感じられる鉄観音(写真上)や、海の旨味が意外にマッチするカラスミなど、フレーバーも多彩。カフェメニューのおすすめは、ナイトロチョコレートドリンク。窒素ガスによるまろやかでキメの細かい口当たりは、カカオ本来の酸味や香りを引き立てる。

〈Q sweet〉(台北)
フルーツやハーブ使いに特色あり
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権威ある世界大会で2回優勝。さらに2022年にはアジアにおいて、世界的な大会で最多受賞となったショコラティエ、吳葵妮さん。彼女の作るチョコレートは、まず見た目が華やか。例えば写真上のピンクのチョコレートはモネの庭をイメージしている。
「絵を描くのが好きで、味だけでなく見た目にもこだわりたい。アーティストのような気持ちで作っています」。台湾らしいフルーツやハーブ、香辛料を絶妙なバランスで取り入れているのも特徴で、食感や味の変化が楽しい。ホワイトチョコレートにも力を入れている。
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