金蓬萊遵古台菜餐廳の冷製蒸し鶏(白片放山雞)
教えてくれた人:江 振誠(シェフ、フードコンサルタント)
60年以上受け継ぐ老舗の安定感。オーセンティック台湾料理の名店
ミシュランガイド台湾版で1ツ星に輝いた創業60年以上の老舗台湾料理レストラン。台湾産の丸鶏をしっとりと蒸した白片放山雞(冷製蒸し鶏)は来店した人のほとんどが頼む鉄板メニュー。「ここも幼い頃から家族で通っている店で、オーセンティックで洗練された台湾料理をくつろいだ雰囲気で楽しめます」。今のオーナーの祖父の代から受け継ぐ秘伝のタレに漬け込んだ骨付き豚肉をカラッと揚げた蓬莱排骨酥(スペアリブフライ)も大人気のメニュー。
雙月食品社の剥皮唐辛子入り地鶏スープ(阿甘剥皮辣椒雞腿湯)
教えてくれた人:林蓉(飲食コンサルタント)
ミシュランでビブグルマンに輝く今、最も勢いのある台湾料理店
台北を中心に7店舗を展開、ミシュランガイドで5年連続ビブグルマンを獲得する台湾料理店がこちら。カジュアルだがモダンで清潔感のある店内と、メニューの豊富さ、毎朝一からだしをとる丁寧な味作りで絶賛ブレイク中だ。「海外出店も間近?と思わせる人気ぶり。野菜たっぷりの食べるスープに滷味(台湾風煮込み)を合わせゆったりとランチを楽しめます」。ピリ辛でパンチとコクがありながらヴィーガン対応の愛恨椒芝麵(チリゴマ台湾風そば)も必食。
林記牛肉麵の半筋肉麵
教えてくれた人:葉怡蘭(エッセイスト)
白い水タンクが目印!牛肉麺の三位一体トッピング
住宅街の路地にあり、うっかり通り過ぎてしまいそうな店構え。「昔は店名がなく、入口にぶら下がった白いプラスチックの水タンクが目印でした。そのため“水タンク牛肉麺”と呼ばれていたのですが、近年ようやく店名を掲げるように」。濃厚な見た目に反してスープはまろやか。「牛肉や牛スジは軟らかく、スープの味が染み込んでいます。“麺+ワンタン+卵”の組み合わせは、三位一体と呼べるやみつきになるおいしさです」。ボリュームも申し分なし。
Gusto-Market Of Taste 好食多有限公司のイタリアン
教えてくれた人:陳 小曼(フードデザイナー)
作市場内にある本格イタリアン食堂。ワインを開けて、昼飲みしよう!
松山空港に近い濱江市場は新鮮な食材が集まる台北の台所。その中にあるイタリア食材店の一角に、知る人ぞ知るレストランがある。「イタリア人オーナーが営む店で、料理に使われるのはイタリア直輸入のパスタやチーズ、生ハム、そして市場で仕入れた野菜や肉。これ以上ない素材を使っているのに、価格はすごくリーズナブル」。手作りティラミスなどデザートはテイクアウトもOK。イタリアワインも豊富に揃う。
川味麵典の川味担々麵
教えてくれた人:徐天麟(美食家)
台湾人の嗜好の変化で辛さもUP!「麻」の表現力に思わず唸る
「台北の四川料理の麺店で一番おいしい。麻(マー、しびれる辛さ)が何たるかを理解して表現しています」。四川省にルーツを持つオーナーが、店を開いたのは十数年前。当初は刺激的な辛さが受け入れられず、マイルドにしていたが「台湾人も辛さの耐性ができて、今は本場の味に」とオーナー。たしかに「麻」の先に広がる複雑な旨味は癖になる。ビール好きのオーナーが味覚修行という名目で、〈臺虎精釀〉のクラフトビールを豊富に揃えているのもまたよし。
廖家牛肉麵の牛肉スープ(牛肉湯)と汁なし牛肉麺(乾麵)
教えてくれた人:徐 仲(食文化研究者)
台湾牛をたっぷり使った牛肉麺。一見割高そうだが、実はコスパよし
うっかりすると見過ごしてしまいそうな店構えながら、味にはすこぶる定評あり。台湾牛を使った牛肉麺はもちろん、小吃(シャオチー)のレベルも高い。「まずは、滷味(煮込み料理)を頼んでみてください。オススメは、干豆腐と牛の各部位。タンやテールなど、さまざまな食感と味が楽しめます」。メインの頼み方にもこだわりがあり、「牛肉湯(牛肉スープ)と乾麵(汁なし牛肉麺)をセットで。麺には酸菜や自家製ダレを加え、よく混ぜてから食べてくださいね」。
香港九記海鮮のロブスタークリーム麺(上湯奶油焗龍蝦)
教えてくれた人:千千(大食いYouTuber)
豪快な素材使いと、繊細な仕事で新鮮な海鮮を味わう広東料理を提供
魚介を贅沢に使った広東料理は、海鮮好きの台湾人に人気が高いが、こちらは店内に生け簀を備えた本格派。オーナーは香港出身で、ロブスターにホタテ、ナマコなど豪華な食材を用いた料理を、肩肘張らない雰囲気で楽しませる。濃厚な金華ハムのだし、強火で仕上げる炒め物の香りと食感など、味の細部に手間を惜しまぬ仕事と熟練の技が存分に感じられる。「ロブスターのリッチなクリーム麺、タロイモの揚げ物などは、ここだけの味で、昼の贅沢にぴったり」