思い出とグラフィックが紐づいて特別な一枚になる
「元々、デザイン性のあるTシャツは大好きなアイテム。学生時代はよく着ていましたが、デザイナーになって実際に作る側になってから、グラフィックが持つ力強い主張が気になってしまい、最近ではもっぱら無地Tかチェックシャツばかり着ています。でも、実は買い続けているんです。段ボールが2箱分ぐらいかな、結構増えてきたかも。アート性の強いTシャツは持っていることに意味があると思うから」
「今回は、その中でも特に思い入れがあるものを選びました。人だったり、ブランドだったり、今の自分を作っている大切なものと結びつきのある6枚。ストリートブランドの人たちって、お世話になっている人と自分のブランドのアイテムを交換することがよくあるんです。この文化って特殊だけど、お互いの距離を縮められる素敵な交流なんですよね」
Wasted Youth x Budweiser
「これは割と最近。お世話になっているVERDYさんにいただいたものですね。彼のブランド〈Wasted Youth〉とビールメーカーの〈Budweiser〉が公式でコラボレーションしたんですが、これは多分商品化されていないフレンズ用。この配色、デザイン、フォント、文字の置き方など、どれも可愛い。古着っぽさがあるから、肩肘張らず着られそう」
udai × BLANKMAG
「学生時代から長く付き合いがあるフォトグラファー、udaiがインディペンデントマガジンBLANKMAGとタッグを組み、福岡のセレクトショップ〈APPLE BUTTER STORE〉だけで販売した一枚です。すごいのは、銃痕はシルクプリント、コラージュ部分はインクジェットと、プリントのハイブリッドをしていること。結構痺れますね」
ANCHOR INC.
「〈BlackEyePatch〉を手掛けているクリエイティブチームのマーチャンダイズグッズ。胸元に小さなロゴ、背中にグラフィック。シンプルで好き。無地T感覚で着られるのでお気に入りです。〈BlackEyePatch〉とは、一緒にコラボレーションしたり、個人でも関わりがあったりと、親交の集まるチームなんです」
Clube de Regatas do Flamengo
「ブラジルに住んでいた14歳の誕生日に、叔母さんがプレゼントしてくれたサッカーチーム、CR フラメンゴのTシャツは、もうずっと着てますね。絶対に捨てたくないです。僕の家系は代々このチームを応援していたから、当たり前の選択だったんだと思います(笑)。左胸のサイン刺繍は、過去に在籍していたジーコ選手のもの」
Stussy
「ブランドを始める前は〈Stussy〉で働いていたので、たくさん持っていますね。ロンドンのアーティスト、Bakarの新アルバムを記念して作られたこのTシャツは、どちらも好きな僕にとって買わずにはいられませんでした。日本展開はしていなかったので、海外通販でゲット。Bakarはこの間のパリコレで〈Acne Studios〉のランウェイに招待されたりと、ファッション業界でも注目されています」
JASON S. WRIGHT
「行くたびに、気になるものが置いている代々木上原のセレクトショップ〈BACKDOOR〉で3年前ぐらいに買いました。古着の2枚のTシャツをドッキングし、アーティストのB. THOM Stevensonのグラフィックを乗せた豪華なつくり。背中の転写プリントの入り方とか、ちょっとしたニュアンスまでもセンスがいい!」