SPOT1 【バーゼル】毎年6月に同時開催の「アートバーゼル」・「スイスデザインアワード」・「リステ」
「アートバーゼル」
世界中から多くのアート愛好家たちが集結する「アートバーゼル」は、今年で53年目。元々は地元のギャラリー関係者3人により立ち上げられたそう。
世界的にも影響力のあるアート財団の代表やディレクター、国際的芸術機関の関係者トップや学芸員、グローバルに活躍するキュレーター、そしてコレクターなどが本来の顧客だが、週末のデートスポットとして訪れるカップルがいたり、友人と遊びに来る人々も多く、パブリックにも広く開放されている。スイスのアートシーンは懐が深いのだ。
「スイスデザインアワード」
「スイスデザインアワード」は、1918年から文化庁がサポートし、世界中から人々が集まるこの6月の機会に、スイスデザインの現在をあらゆる角度から紹介している。近年ではデザインコンペで受賞した地元のクリエイターたちが、アートフェア期間中にプロジェクトを発表できる。
グラフィックデザイン、写真、プロダクトデザイン、テキスタイル、インタラクティブデザインといった幅の広さ。開催場所は「アートバーゼル」のメイン会場から徒歩圏内で開催され、若手の作家たちと出会えるチャンスでもある。
「リステ」
1996年に設立。若い世代のギャラリーが現代美術の最新を紹介し、優れたアーティストの作品と出会える「リステ」。現代美術ギャラリーの登竜門的な立ち位置でありながら、近年では若手から中堅、大御所まで混ざったフェアになっているという。
現在に焦点を当てながら、新しい価値観や美を体験させてくれる。入り口にはカフェも併設され、アート鑑賞前後にひと息ついてゆっくりする人々も。
SPOT2 【バーゼル】世界的なアートの街バーゼルと、まだそれほど知名度が高くない最新のスポット
マヨネーズ工場跡地で開催される「Basel Social Club」
スイスでは、毎年6月中旬になると「アートバーゼル」をはじめ、たくさんのアートイベントが開催される。世界中からコレクターやギャラリスト、アーティスト、コレクターが数多く集まる。
最近始まった「Basel Social club」のロケーションは元マヨネーズ工場の跡地。レンガ造りの外観に、スケルトンのように天井が抜けた空間。入場フリー、地元の若者や子どもや犬を連れたファミリーがふらっと集まり、お酒を片手にアートやミュージックを自由に楽しんでいる。まだ日本では知名度が低いものの、オススメのイベントだ。
地元のアート愛好家たちが集まるギャラリー 「Space25」
アートの街バーゼルでも、今回特に気になったのが、ローカルのアーティストによる、ローカルのアーティストのためのギャラリー「Space25」だ。バーゼル周辺の地元アートを推進するため、2020年6月、最初の展覧会が開催された。作品は主にバーゼルやその周辺に在住・活動する現代アーティストによって展示が開催される。
SPOT3 【チューリッヒ・ムルグ】ふらっと出かけて、何もしないのが最高!公園、湖、川、プール
スイスは国土の多くが自然。空港から電車で15分のチューリッヒ中心部でさえも、少し歩けば川や湖にたどり着く。そして夏になると、人々はふらっと水浴びをして余暇を楽しむのだ。
それぞれ一人一人にお気に入りの場所があるという。「もし、自分がここに住んでいたら……」なんてローカル気分で、“ほぼ何もしない”贅沢な時間を存分に味わいたい。
「ブラターヴィーゼ公園」
「ヴァレン湖」
「Seebad Utoquai」
「Hallenbad City」
SPOT4 【チューリッヒ】身近なところにある名建築。チューリッヒ大学のライブラリー
2004年にスペインの建築家・サンティアゴ・カラトラバによって改修設計されたチューリッヒ大学法学部の図書館。彼は9.11同時多発テロ後に再建された〈One World Trade Center〉を中心としたビルの中にある駅〈World Trade Center Transportation Hub〉を設計したことでも有名。
あまり知られていない図書館ではあるが、光を透過させる空間の美しさは一歩足を踏み入れると息をのむほど。歴史的な外観に対して、吹き抜け空間に動物の骨のような構造体がなす内部のダイナミックな造りが驚きを与える。観光でも入館が可能なので、建築好きであればぜひ訪れてみてほしい。
SPOT5
【クール】博物館で鍵をもらって入場する、ピーター・ズントー建築の穴場スポット
プリツカー賞を受賞したピーター・ズントーのスイス建築を巡る人も多いだろう。チューリッヒから170kmにある彼の代表作の一つ・テルメヴァルス (7132 Hotelというヴァルスにあるホテルとスパの複合施設)。
その旅の途中に立ち寄れる、クール (Chur) 駅にも実は知る人ぞ知るズントー建築があるのだ。鍵をもらわないと入れない秘密のスポットは、まるで探検家になった気分。