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中田慎介と山下英介のスエットのマイ・ルール

もはやスエットが日常のユニフォームと化している、スエットラバーの〈アンライクリー〉デザイナー・中田慎介さんと編集者・山下英介さんが惚れ込む一着とは?選ぶ基準にも取り入れ方にも、それぞれのマイ・ルールがある。

本記事は、BRUTUS「GOOD STYLE for Mr.BRUTUS 春に欲しい、大人の服。2025 S/S」(2025年3月17日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Go Tanabe / edit: Keiichiro Miyata / props: AWABEES

中田慎介のマイ・ルール

背景にあるストーリーを、ただ生かすだけ

Tシャツの上に重ねるミドルレイヤーは断然スエット派です。裏起毛から裏毛のものにそろそろ入れ替えようと思うタイミングが、着こなしを春に衣替えする合図なんです。でも〈チャンピオン〉の名作《リバースウィーブ》のヴィンテージは、裏起毛ながら春も着用できるドライなタッチで万能。

お気に入りは、80年代にアメリカ陸軍士官学校(USMA)が運動着にしていたもの。学校といえばアイビーということで、チノトラウザーズと《オールスター》。同じように、軍人といえばワッチキャップという具合にスエットとの共通点を見つけて物語を組み立てるようにスタイリングを考えています。そのストーリーがしっくりきた時はたまらなく楽しい。

Championのスウェット
Champion
〈チャンピオン〉の《リバースウィーブ》では珍しい、首元がVガゼットになった仕様。身幅が縮みやすいのもこのシリーズならでは。着る前に横方向に生地を引っ張って、袖を思いっきり伸ばすことで好みのゆとりを確保。ただ、首は詰まったまま着られるようネックは伸ばさないように慎重に行うそう。

Coordinated Items

〈アプレッセ〉と〈ビームス〉と〈ラルフ ローレン〉とのコラボショーツ
色や丈選びで、秋とは異なる軽さに
USMAの学生が穿いていそうなチノパンツ。右/グレーに馴染むアイボリーは、〈アプレッセ〉のもの。左/〈ビームス〉のディレクター時代に展開していた〈ラルフ ローレン〉とのコラボショーツ。

山下英介のマイ・ルール

あえて袖を通さず、肩に巻くものとして取り入れる

映画『大脱走』の主演、スティーヴ・マックイーンのように肉体に自信がないとスエットはなかなか着こなせない気がして、好きだけど、苦手なんです。ただ、セーターよりもカラバリが豊富で発色がきれいなものが多いので、使わない手はない。それで肩掛け。あくまで、色を差すことが目的なので、王道カラーのグレーやネイビーは選択肢にありません。

今日着た〈パパス〉のイエローのほかに、赤やグリーンなど、鮮やかなカラースエットを中心に愛用しています。普段から、ヨーロッパのカフェにいるようなおじさんの装いが好きで、今日はフランスの名門〈アルニス〉のジャケット《フォレスティエール》を合わせて、フレンチトラッドを意識しました。

Papasのスウェット
Papas
シーズンによってさまざまなカラーを展開する〈パパス〉のスエット。ほかでは見かけない淡いイエローが気に入り、購入したという。裏までソフトな吊り編み生地で、首元がVガゼットになった仕様まで、レトロなムード。前面にプリントされた「気が抜けてかわいらしい」ロゴも山下さん好み。

Coordinated Items

〈フラテッリルイージ〉の総柄、〈アットヴァンヌッチ〉の小紋柄、〈シャルべ〉のドット柄
「セーターを巻いていると思わせたら勝ち」という意識で、少しドレッシーに見せるアスコットタイを。右から〈フラテッリルイージ〉の総柄、〈アットヴァンヌッチ〉の小紋柄、〈シャルべ〉のドット柄。
左から、野中卓也、梶 雄太、山下英介、中田慎介、深水光太、島田裕生。
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