梶 雄太のマイ・ルール
頭から爪先まで、ひけらかさず自然体でいられるものを選ぶ
僕の普段の着こなしを定食に譬えるなら、スエットは白米くらい欠かせないものなんです。着たり、肩に掛けたり、首に巻いたり、猛暑の日を除き年間360日くらいは持って出かけています。そのほとんどがアメリカ製のボディメーカーのもの。生地の厚さもゆとりのあるシルエットもどストライクで、2年前から〈フルーツオブザルーム〉のスエットがスタメンに加わりました。
何より、デザインやブランドをひけらかさずに自然体で取り入れられるのがいい。同じ理由で、足元は〈パラブーツ〉か〈ヴァンズ〉。ファッションって、時には背伸びして辿り着く極致もあるけど、自分に無理なく、また負荷なく過ごせる服を取り入れて、僕は生きていきたいです。

クルーネックシャツ以外にフーディも愛用。各4色(黒、グレー、ネイビー、深緑)、各2サイズ(L、XL)の計30枚以上を所有。いつどれを着て出かけるか決まったルールはなく、常に本能的なのだとか。どれも価格は2,000円ほどで、すぐにヘタらないコスパの高さも気に入っているそう。
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スニーカーなら〈ヴァンズ〉、革靴なら〈パラブーツ〉と決めている。右から、冬はマウンテンブーツ、春秋を中心に通年履く《ティエール》、夏用の《オーセンティック》と季節ごとに足元を替えている。
野中卓也のマイ・ルール
アーティストものはレコード感覚で曲のイメージから装いの着想を得る
古着屋って、入口に飾ってあるTシャツで店のテイストがわかるとよく言われるんですが、それと同じくらいスエットも僕にとっては特別なもの。ヒップホップにどっぷり浸かって多感な時期を過ごしたので、ラッパー関連のウェアはレコードと同じくらい青春の記憶が蘇る装置なんです。だから、袖を通すと無条件でテンションが上がる。
春の立ち上がりは、数々のラッパーにサンプリングされるイギリス人ソウルシンガー、シャーデーのスエット。シャーデーの曲ってどこか冷たいイメージがあるから、まだ肌寒い春の立ち上がりにぴったり。そうやって、生地の厚さや色に関係なく、アーティストや楽曲のイメージで取り入れるシーズンや装いを決めています。

1985年にリリースされたシャーデーのアルバム『Promise』のプロモーション用に配られた非売品。ボディは、少し生地が痩せたライトオンス。胸にはアーティスト名とアルバム名が刺繍されている。「プリントものは子供っぽく見える気がするので、袖を通すのは刺繍ものばかり」というこだわりがある。
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スエットの下は必ずヴィンテージTシャツ。同じようにエイジングされていると裾から見えた時にも馴染みがいい。肌着としても完璧な、生地が痩せてテロテロになったコットン製のものを主に愛用。
