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あなたにとって、スタンダードとは?中田慎介、加賀美健、郷古隆洋の「定番」と「新・定番」

スタンダードとは、“標準”“基準”という意味を持つ。でもそれに加えて、自分にとっての王道やマイフェイバリットだってスタンダードになり得る。自分なりのスタイルを持つ人たちに、「定番」アイテムと「新・定番」アイテムを尋ねた。

text & edit: Minori Okajima, Shigeo Kanno

中田慎介(Unlikely デザイナー)

Q1

あなたは「定番(スタンダード)」をどのような言葉として捉えていますか?

A1

“突き詰めて最終到達した者のみに許され、語ることのできる言葉”のような気がします。毎日違う洋服を着ているのに、スタイルが完成されている人っているじゃないですか?例えば〈チューブ〉のデザイナー、斉藤久夫さん。その着こなしは、彼にしかできないと思わされる説得力がある。ころころと趣向が変わる僕にはまだ辿り着けないですね。

Q2

あなたが愛用している「定番」アイテムは何ですか?

A2

〈カルバン・クライン〉のボクサーパンツ。高校時代にデートで訪れた高級ブティックで、見栄を張って唯一買ったのが最初の出会いです。以来、20年以上信頼しているマイ定番です。

Q3

最近「新・定番」として手に入れたアイテムは何ですか?

A3

〈アンライクリー〉のボタンダウンシャツ。ここ数年Tシャツやスエットに甘えてしまっていたのですが、大好きなシャツへの思いが再燃して着るようになりました。いろいろな着こなしにトライしていて、最近はネクタイをするようにもなりましたね。

〈カルバン・クライン〉のボクサーパンツ
定番

愛用する〈カルバン・クライン〉のボクサーパンツ。

〈アンライクリー〉のボタンダウンシャツ
新・定番

〈アンライクリー〉で作ったボタンダウンシャツ。

加賀美健(現代美術作家)

Q1

あなたは「定番(スタンダード)」をどのような言葉として捉えていますか?

A1

シンプルなもの。膝が少し白くなってるデニムに色褪せた黒Tシャツ、汚れた白のスニーカーが僕の定番の着こなしです。

Q2

あなたが愛用している「定番」アイテムは何ですか?

A2

無地の黒フーディ、キャップ、紺のスエット。10年以上同じ格好なので、着ていて楽なのと、飽きないスタイルは何かと考えた結果、これらを自然と選んでいました。袖がこすれてボロボロになったり、色褪(あ)せた方が格好いい。

Q3

最近「新・定番」として手に入れたアイテムは何ですか?

A3

たまたま〈プラザ〉で見つけた〈イジピジ〉の老眼鏡。軽くて掛けやすい。でも老眼鏡を掛けるようになって、さらに老けて見えるようになりました。

黒フーディ、キャップ、紺のスエット
定番

無地の黒フーディ、キャップ、紺のスエット。

〈イジピジ〉の老眼鏡
新・定番

鼈甲(べっこう)色が気に入っている〈イジピジ〉の老眼鏡。

郷古隆洋(〈Swimsuit Department〉オーナー)

Q1

あなたは「定番(スタンダード)」をどのような言葉として捉えていますか?

A1

“自分の習慣や人生を形成してくれるもの”であること。コンサバではなく、しっかりとキャラが立っていること。トレードマークのような要素もあること。この3つがスタンダードを作る。

Q2

あなたが愛用している「定番」アイテムは何ですか?

A2

〈エルメス〉の「アピ」や「ジャンボ」などのレザーアクセサリー、〈SUNSHINE+CLOUD〉のプルオーバーシャツなど。あとは軍物のパンツも。特にスウェーデン軍のもののグリーンが好きでよく穿いています。

Q3

最近「新・定番」として手に入れたアイテムは何ですか?

A3

プルオーバーはシャツをカジュアルにしてくれたり、スポーツ的な要素もあったり、自分のキャラに合っているアイテムだと思います。古着屋で見つけ、その形やさまざまなバリエーションがあることを知り、掘っていくように。特に春夏は、インド綿などで半袖で襟なしのプルオーバーシャツを、ほぼ毎日着るようになりました。

スウェーデン軍のパンツ
定番

グリーンが好きで穿いているスウェーデン軍のパンツ。

プルオーバーシャツ
新・定番

何着あってもいい、古着のプルオーバーシャツ。