梶雄太(スタイリスト)
Q1
あなたは「定番(スタンダード)」をどのような言葉として捉えていますか?
A1
僕にとってスタンダードとは手に入れたきっかけを忘れるくらい、ものすごくデイリーなもの。「スタンダード」と聞くといつも、代官山にあるショップ〈ハイ!スタンダード〉を連想します。その影響から僕も、スエットにデニムのベーシックな着こなしが中心になっています。
Q2
あなたが愛用している「定番」アイテムは何ですか?
A2
2000年代前半の〈チャンピオン〉のスエット。クルーネックとパーカを買って、ユニフォームのように着ています。
Q3
最近「新・定番」として手に入れたアイテムは何ですか?
A3
〈バーンストーマー〉のチノパン。オーダーメイドできる機会があり、ダブルニーのワークパンツをスラックスの製法で仕上げてもらいました。自分の着こなしの幅を広げてくれた一本です。
2000年代前半の〈チャンピオン〉のスエット。
ダブルニー仕様の〈バーンストーマー〉のチノパン。
クリス・ギブス(〈UNION〉クリエイティブディレクター)
Q1
あなたは「定番(スタンダード)」をどのような言葉として捉えていますか?
A1
スタンダードとは、一般的な基準もしくは主要なガイドラインとして考えています。すべてのジャズプレーヤーが演奏したことのある定番曲がまさにそう。定番に対して人々は依存したり、反抗したり、編集して新しいものを作ったりと、あらゆる発想の原点になり得るものだと思います。
私にとってスタンダードな着こなしというのは必ずしも1パターンではないのです。なぜなら、スタンダードとは、組み合わせることで変化する“軸”のようなものだから。この軸も、年を重ねたり体形が変化したりすることで変わってくるものです。
Q2
あなたが愛用している「定番」アイテムは何ですか?
A2
〈マルニ〉のドライビングコート。2016年に出会って一目惚れ。それから数ヵ月、アクセサリーを着けたり、ドレッシーな装いやプレッピーな着こなし、ヒップホップな組み合わせなど、いろいろなスタイルで着用しました。あまりにもお気に入りの一着だったので、クリーニングに出している時間が惜しくなり、同じものをもう一着購入しました(笑)。以来、今でも愛用する定番品です。
Q3
最近「新・定番」として手に入れたアイテムは何ですか?
A3
2023年に手に入れた〈ユニオン オリジナル〉のカーディガン。ほぼ毎日羽織っているので2着持っています。絶妙なサイジング、高密度でデザインを保ってくれる生地、美しいドレープ感。私にとって完璧なカーディガンです。
ほぼ毎日羽織っている〈マルニ〉のコート。
オリジナルで製作した〈ユニオン〉のカーディガン。
井野将之(doublet デザイナー)
Q1
あなたは「定番(スタンダード)」をどのような言葉として捉えていますか?
A1
見えているけれど見えない、記憶に残らないもの、とも言えます。〈ヘインズ〉のTシャツや〈リーバイス®〉の「501」を着ている人とすれ違っても、アイテムの特徴を記憶するのは難しいと思います。それは歴史があり、見慣れているからこそ。そういうものがスタンダードなのだと思います。
Q2
あなたが愛用している「定番」アイテムは何ですか?
A2
〈コンバース〉の「チャックテイラー」とは長い付き合いです。面白いのが、新品よりも履き込んでいる方がカッコよくなるところ。新品だと逆に定番に感じないというか。愛着とともに育っていくのが定番たる所以(ゆえん)かと。
Q3
最近「新・定番」として手に入れたアイテムは何ですか?
A3
〈コンバース〉と初めてコラボして作ったスニーカー。「オールスター」と「ジャックパーセル」が融合した、夢のような一足。
〈コンバース〉の「チャックテイラー」のハイカット。
〈コンバース〉とコラボレーションしたシューズ。