あなた悲しや天ぷら屋 だけども 素肌負けないで Baby
「今宵あなたに」/1978年
原坊の実家=天ぷら屋をダジャレで見事に仕留める粋。そして当時のCMのキャッチコピーへと続く素晴らしきナンセンス。
見つめ合って髪に Touch 両手で君の背に Scratch
「My Foreplay Music」/1981年
ベッドインまでの手順、前戯をリアルに表現。
君といるのが何よりだもの 心トレモロ 身もうつろ
「東京シャッフル」/1983年
スウィングジャズ、昭和の銀座を描くサザン流ジルバ。「トレモロ」と「うつろ」で韻を踏んで、音楽用語を粋に変える。
I, I, I, I Tender(愛ってんだあ) I Surrender(愛されんだあ)
「あっという間の夢のTONIGHT」/1984年
ラテンタッチのサマーロマンス。情熱とクールの狭間で言葉もカクカクとステップを踏む。
四六時中も好きと言って 夢の中へ連れて行って
「真夏の果実」/1990年
映画『稲村ジェーン』の主題歌に使用されたサザンを代表するバラードの名曲。
静寂の音量はコンドームに残るノイズ 満月の映像をおっぱいに変えるレンズ
「HAIR」/1992年
哲学的なフレーズが印象的な一方で「コンドーム」や「おっぱい」が出てくるのがユニーク。
行き過ぎたくらい 愛されてスゴイ
「Moon Light Lover」/1996年
不貞を肯定する甘い言葉。蜜月は夜ひらく。
狂乱、騒乱、光線銃
「世界の屋根を撃つ雨のリズム」/1997年
「東京サリーちゃん」や「亀が泳ぐ街」と並ぶ怪文曲。ウィリアム・バロウズ的ともとれる。
カレー焦がす匂いの路地裏 見慣れた街のキューポラ
「からっぽのブルース」/2005年
下町の風景を歌うだけで、孤独や死生観さえも見え隠れする一節。
鳥カラアゲ定食 誰もがほぼ満足 ヒロシ食えない
「The Track for the Japanese Typical Foods called “Karaage” & “Soba”~キラーストリート(Reprise)」/2005年
突然出てくる松田(弘)にニヤリ。