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よむサザンオールスターズ。とにかく韻が気持ちいい名フレーズ10選

3月19日にリリースされるサザン10年ぶりの新作『THANK YOU SO MUCH』を「読み物のようにしたかった」と桑田は語る。ならば、サザンのこれまでの楽曲をいま一度「歌詞」に注目して味わいたい。とにかく韻が気持ちいい10フレーズをピックアップしてみました。

本記事は、BRUTUS「全国民に贈るサザンオールスターズ特集」(2025年3月1日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

text: Shino Okamura

あなた悲しや天ぷら屋 だけども 素肌負けないで Baby

「今宵あなたに」/1978年

原坊の実家=天ぷら屋をダジャレで見事に仕留める粋。そして当時のCMのキャッチコピーへと続く素晴らしきナンセンス。

見つめ合って髪に Touch 両手で君の背に Scratch

「My Foreplay Music」/1981年

ベッドインまでの手順、前戯をリアルに表現。

君といるのが何よりだもの 心トレモロ 身もうつろ

「東京シャッフル」/1983年

スウィングジャズ、昭和の銀座を描くサザン流ジルバ。「トレモロ」と「うつろ」で韻を踏んで、音楽用語を粋に変える。

I, I, I, I Tender(愛ってんだあ) I Surrender(愛されんだあ)

「あっという間の夢のTONIGHT」/1984年

ラテンタッチのサマーロマンス。情熱とクールの狭間で言葉もカクカクとステップを踏む。

四六時中も好きと言って 夢の中へ連れて行って

「真夏の果実」/1990年

映画『稲村ジェーン』の主題歌に使用されたサザンを代表するバラードの名曲。

静寂の音量はコンドームに残るノイズ 満月の映像をおっぱいに変えるレンズ

「HAIR」/1992年

哲学的なフレーズが印象的な一方で「コンドーム」や「おっぱい」が出てくるのがユニーク。

行き過ぎたくらい 愛されてスゴイ

「Moon Light Lover」/1996年

不貞を肯定する甘い言葉。蜜月は夜ひらく。

狂乱、騒乱、光線銃

「世界の屋根を撃つ雨のリズム」/1997年

「東京サリーちゃん」や「亀が泳ぐ街」と並ぶ怪文曲。ウィリアム・バロウズ的ともとれる。

カレー焦がす匂いの路地裏 見慣れた街のキューポラ

「からっぽのブルース」/2005年

下町の風景を歌うだけで、孤独や死生観さえも見え隠れする一節。

鳥カラアゲ定食 誰もがほぼ満足 ヒロシ食えない

「The Track for the Japanese Typical Foods called “Karaage” & “Soba”~キラーストリート(Reprise)」/2005年

突然出てくる松田(弘)にニヤリ。

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