日本を代表するスキー・スノーボードブランドとして知られる〈ヴェクターグライド〉。その直営店〈WHITE TIME〉が2020年6月にオープンした。ところが、10月に早くも改装、店舗奥に〈SKY TECH TRAINING CLUB〉なるトレーニング施設が誕生したというからますます気になる。最新のスキーシミュレーションマシンが導入され、滑りをデータで解析できるという。
説明してくれたのは、〈ヴェクターグライド〉代表の秋庭将之さん。
本格トレーニングマシンで
動きを身体に覚えこませる。
ここはショールーム兼お店です。〈ヴェクターグライド〉は単にプロダクトを買ってもらって、ありがとうございましたで終わるんじゃなくて、その先のお付き合いを大切にしているんですよ。プロダクトを通して豊かな時間を提供したい。ギアは素材、性能ともに最高峰じゃなければいけないですけど、それ以外のスキー、スノーライフ全体を楽しんでほしい。ですから、試乗会やイベントもたくさん開催してきました。
〈SKY TECH TRAINING CLUB〉をつくったのも、その意味でまさにやりたかったことの一つで。新しくつくったお店なのに、改装して奥にトレーニングルームをつくっちゃいました。いろんな方に協力してもらいながら、僕らも楽しんでやっています。
このブランドを始めるまで競技スキーの世界で生きてきて、1/100とか1/1000秒のシビアな滑りをしていたんです。やめてからバックカントリーのパウダースノーで幅の広い板でフワフワの滑るのが楽しくてハマったんですよね。ただ、その時点で自分の納得がいく板に出合えなかった。そこで、性能のいい、妥協なき物作りをしようと始めました。
今のスキーって短くてサイドカーブがきついものが増えました。エッジを立てることを角付けって言うんですが、それだけで曲がっていくんですよね。
昔は手を前に出して、膝も前に出してスネに加重してって繰り返し言われてきたけど、いまはそれではダメ。でも、雪上でコーチングしていくときに、斜面でスピードが出ている中で、人や木にぶつからずに、指導された操作に集中し続けるって、なかなか難しいと思うんですよね。
ゲレンデをイメージしながら、
ゲーム感覚でスキルアップ。
このシミュレーションマシンを使えば足元だけ見ていても、誰にもぶつからないし、操作に集中できる。コーチング内容って頭で理解しただけでは、動けない。まずは動きを試して、神経を通わせて、身体に覚えこませることが大事ですから。ここでは操作に集中できますし、反復練習できるから、短期間で上達できるんですよ。
では、実際に滑ってみましょう。最初は手すりにつかまりながら、マシンの反応を探っていきます。角付けすることによって少しずつ動き出す。ちょっとずつ、ちょっとずつ。どれだけ傾けたらどのくらい動くのか。徐々に加重の時間を長くしていく。そのときに大事なのは両足に均等に加重して、均等に傾けること。これがバラバラになるとうまくいきません。
徐々に加重する時間を長くしていき……。そうすると大きく傾いて、大きなカーブを描くようになるんです。とにかく角付けが大事。滑りの7割はエッジの立て方にかかっています。スキーは板のセンターに加重して、たわませることで、サイドカーブを使ってうまく曲がっていけるんです。だからとにかく角付けをこのマシンで身体に覚えこませましょう!
結構、汗をかきますよね。30分やったらかなりの運動量だと思います。滑りのデータはすべてコンピューターに記録されています。鏡を見ながらフォームをチェックしてもいいですし、スクリーンを下ろしてシミュレーターを使えば、ゲーム感覚でコースを疑似体験することもできますよ。
守るべきポイントは4つ。
シンプルに本質を伝える。
操作の根本は昔から実は変わっていないんですよ。でも、斜面でスピードが出ている中で、アレやってコレやってって言われても、難しいじゃないですか。だから、覚えるべき大切なことはシンプルに4つだけと指導するんです。
・スキーの中心に乗る
・角付けでエッジを傾けて板をたわませる
・ターンのコントロール
・ターンからターンのつなぎ目を意識する
何が基本かを明確にしてあげることですよね。なるべく簡単に。インストラクターを付けて指導してもらうこともできるので、初心者の方でもすぐに上達できます。ぜひ体験してみてください!お待ちしています。
予約に登録は必要だけど、入会金は必要ないです。10月13日にスタートしたばかりだけど、すでにリピーターがいますね。やり続けた方が身体が覚えるから上達するんです。