Talk

Talk

語る

芸能活動20周年。30歳になった玉井詩織が、今考えていること

ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)の玉井詩織が、今年30歳を迎えた。そして、芸能生活20周年でもある節目の年に、初の写真集を2作同時発売することに。写真集の話とともに、これまでのこと、そしてこれからのことを語ってもらった。

photo: Yu Kitahara / stylist: Rina Uchida / hair & make: Haruka Takeuchi / text & edit: Takuro Shii

アイドルグループ・ももいろクローバーZのメンバーであり、「しおりん」の愛称で親しまれる、玉井詩織。デビュー時は「泣き虫で甘えん坊のみんなの妹」がキャッチフレーズだった彼女も今年30歳を迎えた。そして、同時に芸能活動20周年であることも記念して、初となるソロ写真集が8月27日(水)に発売された。

自身の名前と関連するタイトルが付けられた『たまゆら』『しおどき』という2作の写真集。『たまゆら』は玉井がかねてその美しさに魅せられていたというベトナムで撮影した、自然体の姿が収められた一作。

『しおどき』は、ドラマ『silent』や、映画『アット・ザ・ベンチ』などを手がけた脚本家・生方美久によるオリジナルストーリーをベースに、写真家・濱田英明が撮り下ろしたストーリー写真集で、こちらはアイドルの顔とは異なり、3つの主人公を演じる女優としての魅力が引き出された一作だ。

「写真集を、しかも2作同時に出せることになって、本当に嬉しかったですし、私にとってもすごく大きなプレゼントになりました。20年間活動できたのも、応援してくださる方がいてこそなので、日頃の感謝の気持ちを、こうした形でお届けできるのは、本当に幸せなことだなと思います」

ももいろクローバーZのメンバー・玉井詩織のポートレート

「『たまゆら』では、今まであまり着ることのなかった露出の多い衣装にもチャレンジしたのですが、女性からの反響も多くて嬉しかったです。もう少し若かったら、また違う受け取り方をされていたかもしれないけれど、ヘルシーに今の魅力が伝わったのは、30年という歳月の積み重ねがあったからかなって。

だけど、ご飯を目の前にした時の表情とかはずっと変わらない。ベトナムでも食べることに夢中で、『写真集の撮影なのに、こんなに食べる人はなかなかいない』って、スタッフの皆さんに笑われました(笑)」

20年間で変わる景色、変わらない記憶

10歳で芸能界へと足を踏み入れ、12歳でももクロを結成。そこからはひたむきに走り続ける日々。当時、どこまで将来の自分の姿を予想できていたのだろうか?

「まさか20年も続けてこられるなんて、今でもびっくりしています(笑)。ももクロも『誰かが結婚してもずっと続けていけるグループになりたいね』と話しはしていたけど、リアルに想像できていたかと言われると、できていなかったかもしれない。本当に続けられるのかな?という思いもありました」

それでも続けてくることができたのは、ひとえにファンとメンバーの存在があったから。

「ライブで自分を応援してくれるファンの存在を間近で感じることができて。それが自分の存在意義をすごく感じさせてくれて、続ける理由になりました。あとはやっぱり活動が楽しかったから。

大変なことだらけだったはずなのに、『何が大変だった?』って聞かれたら、『えっ?なんだろう?』って思うぐらい、楽しい記憶しか残ってなくて。それはメンバーのおかげでもありますね」

ももいろクローバーZのメンバー・玉井詩織のポートレート

ももクロで過ごす17年では、メンバーの卒業や結婚などさまざまな変化もある中で、関係性も少しずつ変わってきたようだ。

「変わってきた部分と変わらない部分、両方あると思います。いまだに楽屋とかで、メンバーたちとくだらないことで笑い合っているところは全然変わらないです(笑)。

変わったのは、ちゃんとお互いのプライベートを尊重するようになったこと。昔は仕事とプライベートの境目なく、四六時中一緒にいたので。今は戦友のような、良きパートナーのような関係。同じ青春時代を一緒に過ごしてきたメンバーは、他に代わりがいない、本当にかけがえのない存在です」

ももいろクローバーZのメンバー・玉井詩織のポートレート

いつかオトナになって 変わってしまうとしても

「これまでの人生では、あまり明確な目標や計画を立ててこなかった」と語る玉井だが、30歳を迎えるにあたって気持ちに変化があったという。

「最近よくメンバーや友達とも話すのですが、30代の10年間って一番変化がある期間だと思うんです。自由度も高くなるし、その分の責任も大きくなる。だから、やる前から自分で自分の可能性を狭めてしまうのはもったいないなと思って、いろんなことに挑戦してみようという気持ちがより強くなりました」

昨年にはソロアルバムのリリース、今年は武道館でのソロコンサートも開催した。

「ソロ活動も今まで避けていた部分ではあったんですが、実際にやってみて、こういうことが自分には向いてるかもしれないとか、こういうこともできるんだとか、自分自身の可能性を広げることができました」

今、改めて玉井詩織という人間を自分でどのように捉えているのか?と問うと、こんな答えが。

「卵から孵った気分です。やっとスタート地点に少し立てたかなって。ソロコンサートも写真集も、もっと早く始められるタイミングはあったかもしれないけど、自分的には気持ちが追いついてなくて。

でもやっと今、やってみようかな?って心が動き始めたんです。人よりちょっと遅いけど、ようやく自分の足で歩き出せた気がします」

 

玉井の初ソロ曲「…愛ですか?」には、こんな歌詞がある。

いつかオトナになって 変わってしまうとしても

20年もの活動の中で得た経験を糧に、自身のペースで少しずつ変化を続ける過程にある玉井詩織。だが、そう語る彼女の表情には、変わらない笑顔があった。

ももいろクローバーZのメンバー・玉井詩織のポートレート

玉井詩織が読み解くサザンオールスターズの新しい音楽。『THANK YOU SO MUCH』視聴会レポート