——選ばれた写真について教えてください。
若木信吾
ニューヨークから一時帰国した坂本さんは、撮影のため長めの時間をとってくださったと記憶しています。中判カメラで撮られたポジフィルムを見返すと、私の無邪気なリクエストに笑顔で、楽しみながら応えてくださっていたことがわかります。こんな写真なら、撮っている私も相当楽しかっただろうなぁ。いつでも一人のアーティストとして対等に接し、尊重してくださって、緊張することはありませんでした。
——坂本龍一を知ったきっかけは?
若木
小学生の頃『ライディーン』が流行っていたのですが、個人的に一番衝撃を受けたのは映画『戦場のメリークリスマス』です。
——坂本龍一との思い出は?
若木
一番最初に直接お会いしたのが雑誌『エスクァイア』の撮影でニューヨークのご自宅だったのですが、カメラの前になるとスッと自然に入り込んで空気を変えるんです。それから何度か撮影させていただきましたが、一貫してその感じが変わらなかったのが、素敵だと思いました。
——坂本龍一で最も好きな作品は?
若木
『戦場のメリークリスマス』。
——あなたにとっての坂本龍一とは?
若木
唯一無二。
——坂本さんの残した作品(レガシー)を後世の人にどう向き合ってほしい、体験してほしいと思いますか?
若木
自由に!