想定外の出来事に立ち会う瞬間、それが橋本作品の魅力
橋本聡の《大量の1円硬貨:銀河》
橋本聡による大量の1円玉を使ったこの作品では、硬貨を自由に持ち帰ることができます。制作年に記された「1955年〜」とは、現行の1円硬貨が初めて発行された年。このように橋本は作品を展示する際、形式化されたやり方ではない方法でキャプションを記すことも特徴です。
また、地球の質量をそのままに1円玉の直径まで圧縮するとブラックホールと化すという、天文学の計算を基にした別の作品も。大きすぎて把握しがたい地球がブラックホールになった時には指先でつまめるサイズになることを示し、私たちの価値観を揺さぶります。(AOYAMA|MEGURO/青山秀樹)