スタイリスト・菊池陽之介が中古車リメイク。フォード エスケープを自分好みに

人とクルマの距離感が再び近づいています。みんな心からクルマを楽しんでいるんです。そもそも運転免許を取得したとき、誰もが翼を手に入れた気分になったはずです。人生観を変えたあの原体験を、いま一度思い出してみませんか?ハンドルを握れば自由なカーライフの始まりです!

Photo: MasakiSato / Text: Junya Hirokawa

中古車リメイクで自由になりました

住まいは湘南の辻堂。仕事場はほぼ毎日東京という生活。気づくとメーターは2年で2万5000㎞を刻んでいた。

「ふと中古車をリメイクして乗り潰すという楽しみ方もアリだなと思ったんですよ。とたんにクルマ選びも自由になりましたね」。

まずは不人気のベース車を安く探し、程度が良ければ福岡からでも取り寄せる。あくまで実用を意識しているので、クルマのコンディションが肝なのだ。オークション含め希望価格の出物を焦らず待った。

「最初にリメイクしたのは型落ちの『プリウス』。UPS(国際郵便)のトラックをイメージソースに、クルマ屋さんと話し合いました。マットになるほど傷が目立つというアドバイスもあり、5分艶にしたんです。でも仕上がりはチョコレート。ハッキリ言って失敗です(笑)」。

Bad…

TOTAL 130万円

UPSのトラックがイメージソース。働くクルマが好きなのだ。しかし、傷を気にして5分艶仕上げにしたら、イメージと大きく乖離。これは失敗。

そして、2台目が「エスケープ」。

「次は思い切り好きなことをやろうと決めました。ボンネットミラーを外し、フェンダーも塗り分け、ホイールもアルミに。全体のイメージは軍用車両です。でも、都会に馴染ませるには、やりすぎは禁物」。

トータル98万円とは思えない仕上がりに、アドバイスを求める人が後を絶たないという。

地味な印象のSUV。リメイクのイメージソースはホンダ「エレメント」と軍用車両だ。リース先や撮影現場で常に話題に。

Coooool!!!

BRUTUS 菊池陽之介の中古車リメイク マットな仕上がりのSUV
TOTAL 98万円

「プリウス」の反省を踏まえ7割マット塗装に。タイヤ、ホイール、一部スムージングなどを含めこの値段。潮風でクルマがベタつく悩みも解消されたそう。

リメイクのPOINT

・色、車種ともに人気のないベースを選ぶ。
・資料を集めて職人とイメージを共有する。
・カスタムするときは思い切りが肝心。