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CULTURE SAUNA TEAM “AMAMI”が行く欧州サウナ旅〈DAY5:ノルウェー編〉

サウナカルチャーを考察するために結成されたCULTURE SAUNA TEAM “AMAMI”の草彅洋平、84ken(橋本健太郎)、オリティー(濱田織人)が、欧州5ヵ国のサウナを巡る冒険に出発。約2週間のサウナ漬けの旅の果てに、彼らが見たものとは?「DAY 3-4:ドイツ編」はこちら

photo & interview & text & edit: Yohei Kusanagi / editorial assistant: Yuji Nakano, Nao Uema, Kentaro Hashimoto, Orito Hamada / coordination: Yuji Hattori / cooperation: Japan Sauna Spa Association, OLD ROOKIE SAUNA, Totonou Pants, kontex IMABARI JAPAN

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5日目:シティサウナの極北!海上に無数のサウナ小屋が

「今サウナで最も面白そうな国はどこか?」といえば、ノルウェーではないかと風の「うわサ話」で聞いていた。ノルウェーには風変わりな施設が多いのだ。

そこでオスロを中心にサウナを巡ろうと旅程を組んだ。宿はオスロ中心街にある高級老舗ホテル〈Grand Hotel Oslo〉に決めた。オスロ市民の愛するホテルで、1階のカフェで食事をするのがステータスなのだという。

実はホテルの最上階には〈Artesia Spa〉があり、サウナもある。市街を見渡せる外気浴スペースはまさにシティサウナの極北!

すっかりととのった後、2021年10月に完成した新ムンク美術館の湾岸部へ向かうと、きらびやかな建築群に交ざって、海上にサウナ小屋が無数に浮いていた。これは東京でたとえれば、東京駅のそばに海があり、そこに屋形船でなくサウナ小屋が浮かんでいるという状況!これは期待できる。

ノルウェー〈アルテシア・スパ〉テラス
室内プールでクールダウンした後は、オスロ市内を一望できるテラスで外気浴。北欧の冷たい風で「ととのった!」84kenとオリティー。

昨夕サイトで予約し、朝からオスロ湾のムンク美術館側に位置する〈Sukkerbiten Oslo Badstuforening〉へ。“Oslo Badstuforening”とは、この施設を運営している“オスロサウナ協会”の意味で、2016年にサウナ好きのアイスバスクラブのメンバーが集まり結成された非営利の組織だ。

利益はサウナのさらなる発展のために還元しており、21年にオスロ市民からベスト協会に選ばれたことも。市民にいかに愛されているかがわかるサウナ団体だといえよう。

複数のサウナ小屋が集まった〈Sukkerbiten〉のサウナ室に入ると、修道士をしている男性が話しかけてくれた。

「ここの1号小屋は流木や廃材を利用して造られたんだ。それからたくさんのサウナがあっという間に増えていったのさ」

地元の人の説明を受け、簡素なサウナ小屋が輝いて見えた。

ノルウェー〈サッカビッテン・オスロ・バッズトゥフォレーニング〉サウナ室外観
オスロ中心部での海ドボン。サウナに老人から若者まで男女さまざまな人が訪れ、それぞれが自分なりに楽しむ光景を見ることができる。

対岸に位置する〈Bademaschinen Oslo Badstuforening〉は、先の施設より小さく、サウナ室が2室だけ(といっても16人入る)。僕らと同じタイミングで地元の若者たちが入りに来ていて、サウナ室でおしゃべりしては皆海へ飛び込んでいた。中には15分ほど冷たい海で泳ぎ、漂い続ける猛者も⁉都会の中心地でも海の水が汚れていないため、海水浴を楽しむことができるのだ。

それにしてもコミュニティの中心として、サウナを都市部の最重要地点に設けたノルウェーという国の文化度の高さに敬意を表したい。日本も見習うべき街づくりといえるだろう。

ノルウェー〈バッダマシーネン・オスロ・バッズトゥフォレーニング〉サウナ小屋
〈Bademaschinen Oslo Badstuforening〉にて。なぜ海に浮かぶサウナ小屋が多いのか?ノルウェー人に尋ねると「バイキングだからね」との返事が。奥に見える建物は左から、オスロ・オペラハウス、ムンク美術館。

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