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サブスク型サウナ入り放題シェアオフィス!?話題の「goodoffice⽇本橋」に行ってみた

歴史と⽂化と商業の街・⽇本橋に、リフレッシュしながら働くことができるサウナ併設シェアオフィス「goodoffice⽇本橋」が2022年12月10日に誕生!シェアオフィス×サウナという、あたらしい掛け算を詳細レポートします。

photo: Takuya Kanai / text: Yohei Kusanagi

仕事のできる人ほどサウナが好き

「仕事のできる人ほどサウナが好き」という格言がサウナ業界にはある。
サウナを好きな人にサラリーマンが多いことから、ビジネスパーソンとサウナは相性が良いものとして長年周知されてきたことが理由だろう。

日本の会社内にサウナをつくるべきだと熱く語ってくれたのは、本誌特集内の株式会社タマディック・森實敏彦取締役社長だ。タマディックは本社ビルの最上階にフィンランド式サウナを設置し、社員の福利厚生や営業先とのコミュニケーションに、積極的にサウナ利用を推奨している。

既存の施設内にワークスペースを設けた「コワーキングサウナ」も、最近では増えてきた。新型コロナウイルス感染症から始まったリモートワークの増加から、自宅よりもサウナ施設で業務を行いたいという人のニーズに合わせたためだ。

そんな時代の流れもあってか、上場企業が手がけるシェアオフィス内にサウナを設けたサービスを新設するという噂を聞いた。リノベーション、デザイナーズはもちろん、独自の視点でセレクトしたこだわりの賃貸物件を多数紹介しているグッドルーム株式会社だ。

まさかの自宅にサウナがあった!?

グッドルーム株式会社は、2018年に、サブスク型シェアオフィス事業である「グッドオフィス」をスタートさせた。2022年11⽉現在、東京・⼤阪・福岡の全国3都市で、13拠点を展開。渋谷や有楽町といった利便性の高い場所を定額で使えるサービスとして、多くのスタートアップに利用されている。

そしてこのたび、「グッドオフィス」内にサウナを設けた新サービス「グッドサウナ」をリリースした。それも今後続々と誕生する拠点にサウナを取り入れていくという、かなりの本気度だ。

「もともとサウナは“熱い”くらいの印象しかなく、自分にはサウナの良さが分からなかったんです。きっかけはサウナ好きの友人に神奈川県川崎市「朝日湯源泉ゆいる」に連れていかれ、〈ととのった〉こと。それ以来、サウナは仕事の効率も上げる、素晴らしい文化だと思うようになりました」

そう語るのは、グッドルーム株式会社の代表取締役社長・小倉弘之さん。サウナにハマった小倉さんは、住んでいるマンションの共用部にサウナがあったことをふと思い出したという。

「家を借りたときはまったく見向きもしませんでしたが、たまたま住んでいるマンション内にサウナがあったんです。それも利用料金は1回200円。偶然にも住んでいた家が、チラーが入った水風呂にインフィニティチェアまである良施設だったんです!」

サウナ併設シェアオフィスが生まれた理由

ホームサウナが自宅となった小倉さんは、足繁くサウナに通ううちにシェアオフィス内にサウナを導入することをある日思いつく。

「200円だからお金を気にせず、毎日手軽にサッとサウナに入りに行く。そんな生活を続けていたとき、安価な金額で頻繁にサウナに通える環境は最高なんじゃないかと思うようになりました」

そこで社内に提案したところ、意外にも社内にサウナ好きが多かった事実を知った。

「最初は自分のニーズからスタートした本プロジェクトですが、社員の理解も早くとんとん拍子に進みました。まずは日本橋から初めて、全国含めて今後3年で30カ所を検討しています」

驚くのは金額だ。「グッドオフィス」の利用料金は月額16,800円(税込)。この金額で日本全国のシェアオフィスを利用でき、さらに今後増えていく「グッドサウナ」も使えるとなると、サウナワーカーにとっては下手な施設に行くよりも圧倒的にお値打ち!

またサウナ付き良ホテルとして知られるドーミーインなども含まれるホテル暮らしのサブスクリプションサービス「goodroomホテルパス」を使えば、「グッドサウナ」との相互利⽤も可能になるため、好きな場所で暮らし、好きな場所で働きながら、サウナに入ることもできてしまうのだ。

フィンランド式の本格サウナ室

12月10日に運営を始めたばかりの日本橋「グッドサウナ」は、ビル一棟まるまる「グッドオフィス」にした施設の1階に位置している。

手前はシェアオフィスで、会員なら自由に利用することが可能なワークスペース。肝心のサウナは奥に位置しており、「グッドサウナ」ののれんが掛けられていた。

洋服をロッカーに詰めて、浴室に。シャワーに水風呂、内気浴、外気浴スペースもあり、3時間制だ。

肝心のサウナは広々としたゆったりとした作り。ストーブはハルビア、セルフロウリュもでき、最大7人まで入ることができる。

脱衣所の手前には「リラックス&アウトプットラウンジ」があった。サウナ後、オフィスに戻るまでの間、ひと呼吸おけるのがチルスペースだ。

小倉さんの経験によれば「水風呂に入っているときや、ととのっているときにビジネスのアイデアが出てくることが何回もあった」とのこと。

「仕事をしつつ、疲れた脳をデトックス、リフレッシュする場所としてのサウナはありなんじゃないかなと。中間領域があった方がよりアウトプットに時間を落とせると思い、ラウンジを設けました」

シェアオフィスワーカー兼サ守に

「お手頃な値段で提供するために会員制にしたのも、すべてを清掃スタッフにやらすという意識ではなく、会員同士が気持ちよく使い、次の人にも綺麗に使ってもらうというサウナ愛の輪を広げたいから。課題はオペレーション。良いサウナには必ず良いサウナ好き、サウナを守ってくれる〈サ守〉がいます。いずれ会員が自分たちの共同浴場みたいに施設に愛着を持ってもらえるような、そんな会員を増やしていきたいですね」

そう語る小倉さんの目標は次に向かっていた。2023年の春にはサウナ付きの新施設を早くも検討しており、サウナ好きでつながった有名建築家のトラフ建築設計事務所・鈴野浩一さんにお願いしているのだという。そして施設ごとに、毎回異なるサウナ好きの建築家に依頼していくそうだ。

「サウナを知る建築家ならではの、その街にしかない個性的なサウナをつくっていきます」

サブスク型の新しいシェアオフィス×サウナ事業の今後の展開に要注目だ。