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音楽家・角銅真実が訪ねる、環境音楽に特化したレコードショップ〈Kankyō Records〉

アンビエント、ニューエイジなど近年ブームの環境音楽を専門に扱うレコードショップ〈Kankyō Records〉を訪れた音楽家の角銅真実。心地よいリスニング体験について、店主のH. Takahashiと語り合う。

Photo: Rika Tomomatsu / Text: Toshiya Oguma

アンビエントは、
身体を思い出させてくれる音楽。

角銅真実

(店内を見渡して)これ最近ずっと聴いてます。

H. Takahashi

ハープ奏者のメアリー・ラティモアですね。僕も好きです。

角銅

内観も素敵ですね。壁が白くて音楽がうっすら流れていて、いいアイデアがたくさん思いつきそう。

H.

ここはもともと僕の設計事務所で、空間設計や家具デザインの仕事をしてきました。その一方で、学生時代にアンビエントと出会い、近年は音楽制作も行ってきて。

そこから空間としてのお店作りと、“住環境でのリスニング”というテーマが結びつき、レコードショップを始めることにしたんです。

角銅

アンビエントってどんな音楽を指すんでしょう?

H.

空間に溶け込み、装飾するような音楽ですね。お店で薦めるときも空間やシチュエーションと結びつけることが多くて。例えば食事中に流す音楽、ドライブしているとき、あとは入眠前や起床後とか。

角銅

私はいつも朝、メールに返信するんです。目を覚まし、朝ご飯を食べ、猫としゃべって。そこから一日の生活を始めるときに音楽を聴いています。

H.

それならグリーン・ハウスの『Music For Living Spaces』がおすすめです。やさしくフワーッとした感じで、朝にも合うと思います(曲をかける)。

角銅

ああ、最初の数秒ですごくいいですね。川の流れる光景が浮かびます。

H.

安心できますよね。それで耳を澄ますと、いろんな音が鳴っていることに気づいたり。

角銅

自分を日常に馴染ませたいときのBGMとして、アンビエントはいいですね。身体を思い出させてくれる音楽というか。

H.

ホームリスニングの機会が増えた、いまの状況とも合っているように思いますね。

建築家、作曲家・H. Takahashi、音楽家・角銅真実
店主に話を聞く角銅。