バランスの良い食中酒として、親しき集いの手土産に
六角形のボトルの美しい佇まいが目を惹く、サントリージャパニーズクラフトジンROKU〈六〉。桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子という、日本の豊かな四季を想起させる6種のボタニカルが、ジュニパーベリーを筆頭とするジン特有の8種とともに使われているのが最大の持ち味だ。素材本来の良さを最大限に引き出すために、それぞれ旬の時期に収穫し、鮮度を保ったまま浸漬、蒸溜していることも特徴の一つ。
多彩な和素材を用いた繊細でバランスの取れた香味を持つジンゆえ、食中酒としても優秀。和食を中心に多様なジャンルの料理と共に楽しむことができるため、年末年始に増える、仲間内のカジュアルな集いに持ち寄るのにもピッタリだろう。
この日、ROKU〈六〉を手土産に、編集者の阿部太一さんと料理家の山田英季さんが待つ定休日の〈みよし屋〉を訪れたのが、グラフィックデザイナーの朝倉洋美さんと編集者の竹村卓さん。阿部さんが切り盛りする〈みよし屋〉で、山田さんはメニューの監修を、朝倉さんはロゴやメニュー表のアートディレクションをそれぞれ担当。また竹村さんは、自身の手がけるアパレルブランド〈EL BURRITO'S SKATE AMIGOS〉の雑貨を卸すなど、ここに揃ったのは公私ともに縁の深い面々だ。数カ月ぶりに集まったという4人が、少しだけ気の早い“忘年会”を始めた。
和素材を使った柔らかいジンには優しい印象の白みそがよく合う
「乾杯!」の声とともに宴はスタート。食卓には、ROKU〈六〉のソーダ割とともに、茹で海老や里芋の煮物、人参の和え物など、山田さんが準備した、シンプルながらも手の込んだ和の前菜がずらりと並ぶ。早速ほうぼうから箸が伸びる中、テーブル中央に置かれたのは鮭とレンコンのゆず西京みそグリル。山田さんが、手土産のジンに合う料理を、とこの日のために考案してくれた一皿だ。
「みりんや砂糖、ゆず果汁と合わせた西京みそに鮭を漬け込んで、オーブンで焼いています。ROKU〈六〉に使われているような日本の素材は、海外のハーブに比べるとニュアンスが柔らかいのが特徴です。だから尖りすぎていない味付けが合うだろうなと。繊細なみそを使いたいなと思いました。中でも西京みそは、一般的なものと比べてトゲが少なく優しい印象。柚子で香り付けをして、ROKU〈六〉の豊かな香味とふわっと交わる一品にしました」(山田さん)
誰からともなく「おいしい!」という感嘆の声が漏れる中、お酒や箸の進みとともに、話も自然と弾んでいく。話題はもっぱら、〈みよし屋〉のポップアップストア出店のため、4人でタイ・バンコクに滞在した時の思い出話だ。
「お店をオープンしてからずっと、タコスを持って海外でイベントをやりたいなと思っていました。(竹村)卓さんがタイのお仕事をずっとされていたので相談したら、『やろう!』と言ってすぐにいろんな人を紹介してくれて。4月末頃に、ここの4人に〈みよし屋〉の店長を加えた5人で、バンコクへ向かいました」と阿部さん。
仕事として刺激的だったことはもちろん、「本当に四六時中一緒にいたよね」との竹村さんの言葉の通り、生活面でも濃密な思い出がいくつもできたそう。「連日3時過ぎまで飲んでいたことも、仕込み中にアクシデントに見舞われたことも、すごくいい思い出です(笑)」と山田さん。一方で、かねての思いを実現させることができた阿部さんも、「あれだけローカルな人たちと深く関わる機会もそうそうない。生の声もたくさん聞くことができて、濃厚な時間でしたね」と振り返る。
多様な料理が並ぶ食卓で、心地よく味をリセットしてくれる
一同が思い出話に花を咲かせる最中、山田さんが新たに食卓に運んできたのは天ぷらの盛り合わせ。海老やホタテ、春菊など多彩な具材の天ぷらが並ぶ横には、トルティーヤが。天ぷらを包んで、タコスにして味わおうというなんとも斬新なアイデアだ。横に添えられたマンゴーサルサソースに、「ちょっと甘くて、タイの味を思い出す」と朝倉さん。マンゴーのフレッシュさが際立つエスニックなこのソースにも、隠し味として白みそやだしを加えているのだそう。ゆえに和素材を使ったROKU〈六〉とも相性抜群だ。
「以前からROKU〈六〉にはジンとして優れた印象を持っていましたが、食中酒としてはあまり考えたことがなくて。どんな料理と合うかを考える過程は新鮮でした。香りが豊かでしっかりしているから、お酒の良さを引き立ててくれる柔らかい印象の料理と組み合わせるのがベスト。その点、和食とはやはり相性がいいと思います。また、煎茶のニュアンスが含まれていることもあってか、すっきりしていて、ひと口飲むと、前の味を心地よくリセットしてくれるのも嬉しいところですね。無国籍な料理がいくつも並ぶ場面の食中酒としても万能だと思います」(山田さん)
気づけば、食卓に並ぶお皿の料理は空に。会はいよいよお開きになるかと思いきや、グラスの中のお酒がなくなれば隣にいる仲間がまた注ぎ、誰かがキッチンへ立ったかと思えば、新しいおつまみやデザートがまた食卓に並べられる。こうして、たわいもない会話を繰り広げながら、4人の宴はその後も続いたのだった。
料理家・山田英季さん考案の、ROKU〈六〉に合う和食レシピ
材料(4人分)
・鮭切り身………4切れ
・塩…………………適量
〈A〉
・白みそ……………200g
・酒…………………大さじ2
・みりん……………大さじ1と1/2
・砂糖………………小さじ2
・ゆず果汁…………1個分
〈野菜のグリル〉
・れんこん………100g(輪切り)
・万願寺とうがらし……8本
・赤玉ねぎ………………1/2個(くし切り)
・塩………………適量
・ごま油…………大さじ1
作り方
①鮭の切り身の両面に薄く塩をふり、手で広げて馴染ませ、1時間ほどおく。
②ボウルに〈A〉を入れて混ぜる。
③鮭の水気を拭き取り、みそを塗って、保存袋に入れ、冷蔵庫で1日おく。
④〈野菜のグリル〉の材料を袋に入れて、全体を馴染ませ、冷蔵庫で1日おく。
⑤鮭の漬け込みが終わったら、みそを拭き取って、〈野菜のグリル〉と一緒に並べる。220℃のオーブンで15〜18分焼けばできあがり。