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おいしい店の、いいTシャツ

BRUTUS最新号「こんなTシャツ、欲しかった。」と連動したBRUTUS.jpオリジナル企画として、飲食店の買えるオリジナルTシャツを大調査!おいしいお店を見渡すと、そこにはデザインのいいTシャツがありました。

photo: Gyo Terauchi / text: Sho Kasahara / edit: Takuro Shii

さぼうる(神保町)

山小屋や洞窟のようなどこか懐かしい空間が心地よい。作家・遠藤周作も足繁く通った、言わずと知れた神保町の名店〈さぼうる〉。1955年に創業し、いまも連日行列ができる大人気の喫茶店だ。

Tシャツを作り始めたのは2020年のこと。「コロナ禍で、スタッフのOG・OBとオンライン飲み会をしていたときに、お店のTシャツを作ったらどうか?と提案をもらい、作ってみることにしました」

販売しているのは、喫茶店らしくコーヒーをイメージしたブラウンとクリームの2色。デザインには、昔からマッチに描かれていたキャラクターとロゴをそのまま使っている。

69年の長い歴史が築いた独特の落ち着いた雰囲気とコーヒーの香りに溶け込むようなTシャツの色使いに惚れ惚れする。

sweetie shop GRANDPA(小伝馬町)

小伝馬町駅から徒歩3分。田渕 諒さんと三上龍馬さんの2人が営む〈GRANDPA〉は、ドーナツやクッキー、サンデーなど、アメリカンポップなおやつが楽しめるスイーツショップ。

今年の4月から販売しているTシャツは、お店のコンセプトである、「なんでもOK」をデザインに落とし込んだもの。「OKを意味する“OKEY DOKEY”をドーナツでデザインに入れました。ぱっと見で可愛いところが気に入っています」

あくまでスーベニアTシャツという立ち位置を変えないために、刺繍やボディ、プリントに細部までこだわりが詰まりながらも、値段はお手頃に。このTシャツを着て、ドーナツを頬張りたい。

NEW YORK PIZZA TONY'S(吉祥寺)

1968年創業、吉祥寺が誇る老舗〈トニーズピザ〉。ニューヨークで修業をした御年86歳のマスター・藤原亀吉さんがいまも現役で焼き上げるチーズたっぷりのピザは、地元のみならず、全国にファンも多い。そんな〈トニーズピザ〉のTシャツは、同じく吉祥寺でアメリカ衣服を扱うショップ〈The Apartment〉がデザインしたもの。

「うちが代々木から吉祥寺に移転してから少し経って〈The Apartment〉さんがオープンしたの。うちは、ニューヨークピザ、あちらは、ニューヨークの品物を扱っているでしょ。それでうちに食べに来てくれて、口に合っちゃったみたい。そのうちね、うちのTシャツを作りたいって言うんだ。それで、デザインをお任せして全国に販売したら、思いのほか評判でね」

街に根づく店同士のコラボで生まれたTシャツは、吉祥寺土産にもちょうどいい。

New Classic Tortilla Club(代々木上原)

〈New Classic Tortilla Club〉は、「トルティーヤを日本の主食にする」という目標を掲げて2023年にオープンした、日本初のトルティーヤ専門店。コンセプトや内装、グッズのデザインまでプロデュースをするのは代表の片山 純さん。〈New Classic Tortilla Club〉のTシャツ誕生物語は、すこし風変わりだ。

「実店舗がオープンする前にファンを獲得できていたら素敵だなと思い、架空のトルティーヤ店と物語を作ってInstagramを開設しました。お店がなく投稿できるものがなかったので、メキシコで撮った写真にロゴを合成して、存在しないトルティーヤメーカーのスタッフTを作成。これが好評だったので、実際にお店ができてから同じデザインのTシャツを作って販売しています」

妄想から生まれたこのTシャツを、トルティーヤと一緒におひとついかが?

日本初のトルティーヤ専門店。代々木上原〈New Classic Tortilla Club〉ができるまで

下北沢の晩酌屋 まぼねん(下北沢)

下北沢の路地裏、提灯が目印の〈まぼねん〉は、カウンターとテーブル4席ほどのこぢんまりとした居酒屋。おばんざいをはじめ、刺身の盛り合わせなど和食系の創作料理がおいしい人気店だ。

Tシャツはオーナーと普段から親交がある、〈ファミリーマート〉のプライベートブランド「コンビニエンスウェア」のアートディレクターなどを務める安田昂弘さんがデザインしている。

店名の〈まぼねん〉=“Maboneng”は、店と縁のある南アフリカのヨハネスブルクにある地区名。南アフリカの公用語であるソト語で「光のあたる場所」を意味するんだとか。フロントには店名ロゴを、バックプリントには石のモチーフのグラフィックが。石のなかには“Maboneng”の文字が隠れている。

味坊(神田)

神田駅東口のガード下、親しみやすい中華料理店を目指して開店した〈味坊〉。主にラム肉を使った料理が評判で、現地の方のみならず多くの日本人を虜に。都内に11店舗あるという系列店のスタッフは、みなオリジナルのTシャツを着用している。

ブラックとホワイトのTシャツは、日本で羊肉を広めるために活動するオーストラリアの協会、〈ラムバサダー〉と一緒にデザイン。「AJIBO」の「J」をラム肉の形にあしらったデザインがこだわりポイント。

常連にも大人気のこのTシャツは、ラム好きならぜひ手に入れたい一枚だ。

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