Live

Live

暮らす

蘭たちの“変なところ”に魅せられて。写真家・当山礼子と植物

植物を愛してやまない写真家は、自ら育てる緑にどんな眼差しを向けているのだろう。フォトグラファー・当山礼子に自宅の植物を撮り下ろしてもらった。

photo: Reiko Toyama / text: Masae Wako

50鉢以上の蘭を育て、愛(め)でる当山礼子さん。そのきっかけは幼少期に遡る。「地元の沖縄で小さい頃に蘭ブームが起きて、一大興行になったんです。その時に母が切り花のナーサリーを始めたので、蘭は身近にありました」。居住スペースではインコと暮らしているため、蘭を育てるのは基本的に仕事場。その中で花が咲いたものはリビングに持っていき観賞する。

「蘭の“変なところ”がたまらなく好きなんです。謎に包まれた生態、人の意思が介在しているとしか思えない神秘的な花、みちっとした葉まで全部が愛おしい。主に春咲きの蘭を育てているので、この季節は毎日ワクワクしながら眺めています」と蘭愛を語る当山さん。毎日撮影で忙しくしているが、管理はどうしているのか?

「朝、仕事場へ行き蘭たちの様子を見て、水を欲しがっている子に葉水をあげるのが撮影前のルーティン。帰宅したら、音楽をかけながらゆっくり観察、水やりをする時間に幸せを感じます。家の中に生き物があり、生命力に溢れた空間はエネルギーをくれると思うんです」