『サタデー・ナイト・ライブ』で
三船敏郎に扮したべルーシが、
大仰な殺陣で笑いを取るとき。
この破滅的なまでに体を張って笑いを取る姿が観たかったんだ!と思いましたよ。僕がジョン・べルーシを知ったのは、1979年に日本で公開された映画『アニマル・ハウス』でした。ベルーシの野蛮な存在感に衝撃を受けましたね。
その後『サタデー・ナイト・ライブ』の彼が出演する場面だけを集めたVHSがあって、ダビングして何度も観たほどです。もちろん、このシーンもありました。いつの間にかなくしてしまったのだけど、まさかこの作品で再会できるとは。
彼の生涯を描いたノンフィクション小説の『ベルーシ殺人事件』も読んでいるのですが、この作品を観て彼にとって恋人がいかに大きな存在だったかを新たに知りました。とはいえ、ほとんど共依存的に成功体験を追いかけているような状態でしたが。
それにつけても、つくづく笑いの世界は怖いと思い知らされます。彼が薬物の過剰摂取で亡くなってしまったように、笑いにも麻薬めいたところがある。大きな笑いが取れれば小さな笑いじゃ物足りなくなるし、かといってスベったら地獄。規模は違えど自分は彼よりも長持ちしているなあ、なんてしみじみ思ったりしました。