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Z世代はラジオのことをどう考えているのか?大関れいか×柴田阿弥〜前編〜

文化放送の若手を代表する2 人が 20 代から集めたアンケートを基に “Z世代のためのラジオ”を考えた。

Photo: Satoko Imazu / Text: Asuka Ochi / Edit: Emi Fukushima

教えて!Z世代。

日曜朝の柴田阿弥と、水曜深夜の大関れいか。共に昨年から番組を受け持ち、文化放送の若手を代表する2人だ。ラジオに馴染みのない若いリスナーを増やしてきた彼女たちが、20代から集めたアンケートを基に“Z世代のためのラジオ”を考えた。

アンケートを見ながらの収録の様子。今回、Z世代からラジオの多くを学んだパーソナリティ2人の進化にも期待!

柴田阿弥

はじめまして、ですよね。

大関れいか

はじめまして!

柴田

夜の番組を担当されているんですよね。どんな雰囲気ですか?

大関

めっちゃ楽しいですよ。ラジオなのに反復横跳びにリンボーダンスに、めちゃくちゃやっています。

柴田

えー、いいなー。私は朝の番組なのでどちらかというと爽やかな話題が多いんですよね。

そして今日は「Z世代と考える“あしたのラジオ”」というテーマなんですが、Z世代ってみなさんわかりますか?1990年代後半から2000年代生まれの人を指す言葉なんですって。
大関さんは何年生まれですか?

大関

私は1997年生まれなので、ギリZ世代に入ってますね。

柴田

私、93年生まれだから、Z世代じゃないんだけどいいのかなと思いつつ、のこのこ来ちゃったんですけど……。世代で言うならば、ミレニアル世代のゆとり世代ですね。でも急にZって、カッコよくない!?

大関

誰がつけたんですかね(笑)。

柴田

大関さんは自分で発信するようになったのはいつ頃からですか?

大関

高校2年生の頃ですね。Vineっていう6秒動画でバーンって跳ねて、発信を始めていった感じですね。ラジオにもその頃からゲストとしては呼ばれていた気がします。

ラジオはリスナーさんとの距離感が独特ですよね。私は普段、動画クリエイターとしてやっているので、コメント欄で絡んだりはするんですけど、生放送でメールをもらって、リスナーさんと絡むのも楽しいです。

柴田

双方向性がありますよね。私もゲストでは17歳くらいから出ていたんですが、メインパーソナリティは責任感が違う。一人だからシ〜ンってなったら放送事故じゃないですか。

最初はどうしようっていうプレッシャーがあったんですが、メールもTwitterも来るから、リスナーの方としゃべってる感じで、言葉に詰まることがなくて。すぐにレスが来るのは、今どきだなぁと思いますよね。昔はみなさんハガキとか書いてたって言いますもんね。

大関

今となっては、YouTubeで同時生配信もして、そっちのコメントも見ながらですごく面白いですよ。

柴田

スタッフさんと番組の企画について話したりします?

大関

たまにします。私、歌うのが大好きなんで、リスナーさんからリクエストをもらって生歌をやりたいって提案して、番組で歌ってます。

柴田

斬新!『香格里拉』のリスナーはシャイな人が多いから絶対にできないんだけど、私はリスナーと生電話っていうのがやりたくて。

Z世代はラジオのこと、どう思っている?

柴田

では、Z世代のみなさんからのアンケート、見ていきましょうか。「ラジオのどんなところが好きですか?」という問いですが……。

Q>ラジオのどんなところが好きですか?

● 他のメディアより自由度が高い。(23歳/RN:吉田予備校)*1
● 生放送が多くて、時間を共有しているワクワク感が好き。(23歳/RN:だみ)*2
● パーソナリティのニッチな一面を知ることができる。(22歳/RN:丸メガネ)
●「これ知ってるの私だけかも」という高揚感が得られるところ。(21歳/RN:ポカ波)
● 心が明るくなる情報収集手段で、目が疲れないところがいい。(24歳/RN:日光川のタマちゃん)

大関

他のメディアより自由度が高い(*1)は、まさにそうですよね。テレビで話せないことも、よくみなさん話してるじゃないですか。
それに生放送のワクワク感(*2)も、確かに〜と思いますね。

柴田

生放送が多いのは、刺激があっていいのかもしれないですね。番組中にすぐお返事が来るから時間を共有している感もあるし。あと、パーソナリティとの距離感が近いのが好きという人も多かったので、これは大事にしていきたいですね。

大関

そこが何よりもラジオのいいところなのかなと思いますね。

柴田

大関さんは、どうやって距離を近づけようと心がけています?

大関

リスナーさんを友達だと思って、あまりかしこまりすぎず、軽すぎずに話そうとは思っています。

柴田

塩梅が難しいですよね。実際には多くの人が聴いてくれているけど、1人に向けても届けないといけない。表情があればもう少しわかることもあるけど、言葉だけだから。

Q.ラジオのどんなところが嫌いですか?

● 映像がないところ。やっぱり欲しい。(20歳/RN:とまと)*3
● 流れている音楽の曲名を聞き逃してしまうことが多い。(23歳/RN:あんず)*4
● 深夜だったり、番組が長いとすべて聴けない。(23歳/RN:はるちゃん)*5
● 内容に集中すると“ながら聴き”ができなくなってしまう。(23歳/RN:T)*6
● 大人のもの・古いものだというイメージがある。(19歳/RN:ごちゃまぜドレみ)

大関

嫌いなところの多数意見にある、映像が欲しい(*3)というのは、やっぱりそうかと思いました。

柴田

すでにYouTube配信をしている『CultureZ』には、先行かれたわー。一本取られた! 

大関

映像の方がわかりやすいっていう人もいますし、映像はなくていい人もいると思うんですけど、ある分にはどちらに対してもいいじゃないですか。特に今のZ世代は、映像モノに慣れちゃってるので。

柴田

映像の方がわかりやすいっていう人もいますし、映像はなくていい人もいると思うんですけど、ある分にはどちらに対してもいいじゃないですか。特に今のZ世代は、映像モノに慣れちゃってるので。

大関

私もそう思いますね。

柴田

内容に集中するとながら聴きが止まる(*6)っていうのは、それだけ内容が面白いってことなので、ポジティブに捉えました。

大関

これ、勉強になりますね〜。

柴田

こちらでなんとかできるものもあるから、番組に生かしていきたいと思います。次は、「どんな番組を好んで聴きますか?」ですが、オープニングトークを楽しみにしている人がいる(*7)というのは、一週間、何を話そうか頭を抱えて考えている身としてはありがたいですね。

5分しゃべるって、短いようで本当に大変なので。私、日曜の朝のオンエアなんですけど、土曜の夜になってもまだ話が思いつかない時とか絶望しますよね。

大関

私も全然ありますね。

柴田

何の話題が多いですか?

大関

日常的な話が多いです。
一週間、何をやってたか、とか。近況報告から広げつつ。オープニングのほかに、フリートークも5〜10分あるんで、何をしゃべろうかはかなり考えてますねー。それを面白いって言ってもらえたら、すごく嬉しい!ってなります。

Q.どんな番組を好んで聴きますか?

● 番組が始まってから、タイトルコールがあってオープニングテーマが流れるまでのパートが魅力的な番組。日常会話から始まって、スタジオのボルテージを上げつつ一気に番組をスタートさせるのが気持ちいいので。(21
歳/RN:ケンタッキープライドチキン)*7
● なんとなく、西よりも東の芸人のラジオが好き。無理に面白くしようとしていない、落ち着いた笑いの方が好み。(21歳/RN:カザネ)*8
● パーソナリティの方が面白いかどうかで番組を選んでいる。(24歳/RN:日光川のタマちゃん)

柴田

フリートークってメールも読まずに、急にすべらない話みたいなものを始めるってことですよね。めちゃめちゃ大変!無理無理!

大関

1人でペラペラしゃべるってすごいムズいなって気づきました。それがラジオの面白いところでもあり、難しいところでもありますよね。

柴田

これ面白いんじゃないかと思ってしゃべって、サブのスタッフさんを見たら全然ウケてない時とかあるんですよね(笑)。

大関

めっちゃわかります(笑)。チラッと見たら全く笑ってないとか。あとこの、西の芸人より東の芸人の方がなんとなく好み(*8)っていう意見。
ラジオになると私もわーってしゃべってるよりも、落ち着いて聴ける方が好きなので、すごくわかるなぁ。

柴田

好みもありますけど、落ち着いている方が聴きやすいのかもしれないですね。テンション上げるとつい早口になったり、盛り上がっちゃったりしますし。落ち着いてしゃべるって、意識しないとできないことですよね。

Q.ラジオをあまり聴かない理由はなんですか?

● メールを送りたいけど、ラジオネームが思いつかなかったことがある。以来あんまり聴かなくなった。(22歳/RN:バーバララ)*9
● 小さい頃に車の中で流れていたラジオが、交通情報ばかりだった印象。実際に面白い番組をまだ認知できていない。(21歳/RN:ぽにーひむひむ)*10
● 聴覚だけの情報だと、うまく処理し切れないところがある。ラジオを聴く=理解するのに頭を使う、となり、ゆっくりしたい移動時間やおうち時間には向かない。(20歳/RN:みずあお)*11
● Apple Musicなどで音楽を流すことが多いから。(23歳/RN:苺大福)

柴田

ラジオをあまり聴かない理由で、ラジオネームが思いつかなかった人(*9)。
アンケートに答えてくれてるから、バーバララさん、いい名前が思いついてよかったですね。

大関

いや〜、この小さい頃、車の中で聴かされてたのが交通情報(*10)ってめっちゃわかる! うちのお父さんラジオ大好きなので、車の運転中ずっと流れてたんですけど、交通情報系ばっかだったなと思って。運転する側は気になるんですかね。

あと、聴覚だけの情報だとうまく処理できない(*11)っていうのも、なんとなくわかるなぁ。ラジオを聴く=理解するのに頭を使っちゃうっていうのはあって、ゆっくりしたい時に聴こうとはならないなと思って。

柴田

それはどうしたらいいんだろうなぁ……。わかりやすくしゃべるのが一番いいのかしら。

大関

どうなんでしょうね。そうなると、やっぱり落ち着いていた方がいいのかなって思いますね。

柴田

確かに、余暇時間にながら聴きでってなると、めちゃくちゃテンション上げて聴こうって感じじゃないから、その方がいいのかもしれないですね。ちょっと反省だー。

『CultureZ』文化放送(東京)/毎週月~木曜日 25:00~27:00
『Society5.0 香格里拉』文化放送(東京)/毎週日曜日 10:00~13:00