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忌野清志郎、タモリ、ボブ・ディランetc.スターのはじめの一歩から学ぶ、成功を掴むメソッド

テレビの中の人気者も、偉業を成し遂げた権威たちも、みな最初は何者でもなかったはず。スターたちはどのようにはじめの一歩を踏み出したのか。そのエピソードから、成功を掴むメソッドを見つけてみよう。

illustration: Yoshimi Hatori / text: Daisuke Watanuki / edit: Emi Fukushima

忌野清志郎:ロックミュージシャンのはじめ方

将来のビジョンを漫画に描く

高校時代から「ロックで独立」することを夢見ていた忌野。初志貫徹するために実行していたのは、自分が将来バンドで大活躍しているイメージを具体的に想像して漫画に描くことだった。

その漫画に出てくるバンドは、まさに5人になってからのRCサクセションそのもの。自分たちのレコード会社を設立し、好きなように音楽活動を続け、人気がありすぎて困っている……という夢物語のような内容であった。

羽鳥好美 イラスト
参考:『ロックで独立する方法』忌野清志郎/新潮文庫

武豊:ジョッキーのはじめ方

父をロールモデルに
その背中を追いかける

武豊の父は、1960年代から80年代にかけて第一線で活躍し、関西所属騎手として初の通算1,000勝を記録したスタージョッキー・武邦彦。

「ターフの魔術師」とも称された父の背中を見ながら育った豊が、同じ夢を追いかけたのは必然だった。憧れのヒーローだった父から影響を受け、卒業文集にも「夢は騎手」と記していた豊は、その後父の成績をはるかに超える稀代の天才騎手となる。

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参考:『GOETHE』2021年2月号

星野道夫:写真家、探検家のはじめ方

感じたことを
真っすぐに相手に伝える

19歳の時、古本屋で出会った写真集『ALASKA』に載っていた、イヌイットの村・シシュマレフの航空写真に魅せられた星野。

そこに行ってみたいと熱望し、住所のわからない村の村長宛てに手紙を書いた。半年後に届いた返事をきっかけにアラスカに渡り、念願の地で一夏を過ごす。

以降18年間にわたって、アラスカを拠点に極北の自然とそこに生きる野生動物や人々の暮らしを見つめ続けた。

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参考:『旅をする木』星野道夫/文春文庫

タモリ:タレントのはじめ方

瞬間的な衝動に従う

福岡で様々な職業を転々としていたタモリ。ある時、サックス奏者・渡辺貞夫のコンサートスタッフをしていた友人が宿泊するホテルに遊びに行くと、出演同行していたジャズピアニスト・山下洋輔らが飲んで騒いでいる部屋を通りかかり、闖入する。

話芸で大ウケした後、「森田です」と名前だけ伝えて帰宅。後日、山下が福岡でタモリを捜しはじめたところ、当時喫茶店の奇妙なマスターとして有名になっていたタモリと再会。山下から噂を聞いた東京のバーの常連客がカンパを行い、上京させた。

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参考:『クイック・ジャパン』vol.41/太田出版

美輪明宏:歌手のはじめ方

奇抜なファッションで
世間の注意を引く

17歳にして日本のシャンソンの殿堂である銀座のシャンソン喫茶〈銀巴里〉と専属契約し「丸山明宏」の名で歌手生活をスタート。

この時閑古鳥が鳴いていた店の宣伝のため、靴から髪まで全身紫に染め上げたファッションで銀座を歌い歩き、広告塔となることを思いつく。シャンソン界の異端児に世間から注目が集まり、22歳の時「メケ・メケ」でレコードデビュー。

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参考:『美輪明宏と「ヨイトマケの唄」』佐藤剛/文春文庫

みうらじゅん:“何者か”のはじめ方

自分で上司を決めて
しつこいくらいにアピールする

武蔵野美術大学に在学中、友人が糸井重里事務所に勤めていたため、特に何をするわけでもなく事務所に入り浸っていたみうら。糸井重里を勝手に上司だと決め、オリジナル曲のカセットテープを流すなど様々な自己アピールを試みる。

『ガロ』での漫画家デビューがボツになりかけた時も、糸井が仲介役として編集長に掛け合ってくれたことで、無事デビューにこぎつけた。

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参考:『「ない仕事」の作り方』みうらじゅん/文春文庫

神田伯山:講談師のはじめ方

好きな人の好きなものを
夢中で吸収する

講談に興味を持ったのは浪人生の時。ラジオや落語好きの友人がきっかけで落語にハマった若き伯山は、その後立川談志に心酔。談志師匠が好きなものを吸収したいという思いから講談や浪曲なども聴きはじめる。

いくつかある演芸から講談の道を選んだのは、人間の奥深さ、人生の奥行きを描いているところに惹かれたから。大学卒業後、神田松鯉への入門を果たす。

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参考:『絶滅危惧職、講談師を生きる』神田松之丞/新潮文庫

ボブ・ディラン:ミュージシャンのはじめ方

あえて独学を選ぶ

7歳の時に引っ越した家に、ギターとレコードプレーヤー付きラジオがあったというボブ。一緒にあった「Drifting Too Far From The Shore」のレコードに衝撃を受け、音楽に目覚める。

12歳の時、両親が子供たちに音楽の素養を身につけさせようと家にピアノを置き、個人レッスンの教師も連れてきたが、ボブはレッスンを拒否。自由に弾き、独学で奏法を取得してしまった。

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参考:『ボブ・ディラン ロックの精霊』湯浅学/岩波新書

向井千秋:宇宙飛行士のはじめ方

新聞の中から興味のあることを見つける

心臓外科医として働いていた時に、新聞に載っていた日本人宇宙飛行士の一般公募の記事を読んだことがそもそものはじまり。記事を読むと、日本は宇宙開発を科学技術や教育の発展のために行うとあり、宇宙飛行士として、技術者や研究者、教育に携わる人などが募集されていた。

それを見て、「地球での職業を、宇宙という環境に展開できる、すごい時代に私は生きている」と感激したのだそう。のちにアジア初の女性宇宙飛行士としてスペースシャトルに2度にわたり搭乗し、ミッションを遂行することとなる。

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参考:『三洋化成ニュース』インタビュー