「大森元貴の、頭の中。」編集後記:稀代のポップアイコンの中に見つけた、ブルータスとしての「あらたな視点」

2026年4月1日発売 No.1051「大森元貴の、頭の中。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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稀代のポップアイコンの中に見つけた、ブルータスとしての「あらたな視点」

よく「ブルータスってニッチなカルチャーの雑誌ですよね」と言われるのですが、実は全くそうではありません。

私たちがこの雑誌を表現する時に使う「ポップカルチャーの総合誌」という言葉だったり、コアバリューとして設定している「NEW PERSPECTIVE FOR ALL」という言葉に凝縮されるように、「世の中の全ての文化を対象にあらたな視点を探して、それをポップカルチャーとして昇華し提示する」ことが使命だと考えています。

それが例えばファインミネラルというニッチなカルチャーをポップに表現した「珍奇鉱物」特集もあれば、「お金」という普遍的なテーマの捉え方をブルータスなりに解釈した「お金、はじめる」という特集もあったりする。一見バラバラなブルータスの特集ですが、実は自分たちの中では地続きで繋がっているものなのです。

そんなブルータスという雑誌で、私が大森元貴さんの特集を作りたいと思ったきっかけは、Mrs. GREEN APPLEというバンドがフェーズ1から3へと進む間において、世の中の話題となること全てを、大森さんご自身が仕掛けているということを知ってからでした。

「サママ・フェスティバル!」のあえてのパステル感や「Soranji」「天国」の息を呑むような深淵さ、2025年の6ヶ月連続リリースにおける楽曲のショーケース感や、ソロ「Midnight」を経てのフェーズ2「ニュー・マイ・ノーマル」という流れ、そしてフェーズ3の幕開けで「lulu.」という聴き手を圧倒する複雑な構造を持つ曲を提示したこと……それら全てのタイミングにきちんと意味があり、国民的な存在となるまでのロードマップを確実に進めるためのストーリーテリングを、大森さんは物凄く俯瞰した目線で行っている。

コンポーザーとしての才能は言わずもがな、そこにプロデューサーとしてのメタな視点が同時進行しているということにただただ驚くとともに、その「プロデューサー・大森元貴」という、世の中にとって「あらたな視点」を提示できれば、それは非常にブルータスっぽい特集になる、と確信したのでした。

世の中にMrs.GREEN APPLEや大森さんの特集は数あれど、横にパタパタと拡がる年表から伝説的な写真家によるセッション、そして大森さんの直筆原稿まで、これだけの彩りを持ってまとめあげた特集はなかったのではと、ミセスファンの皆様にも、ブルータス読者の皆様にも楽しんでもらえる1冊に仕上がったと思います。ぜひお楽しみください。

No.1051 「大森元貴の、頭の中。」バナー

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