〈按田餃子〉按田優子推薦。日帰り小旅行じゃ全然足りない神奈川・三浦の、一押しスポット5選

代々木上原の超人気店〈按田餃子〉。実は、神奈川の三浦半島に工房兼直売所を構えている。その理由を按田さんに聞けば、「5年ほど前から三浦に暮らしているんです」。都心から1時間、コロナ禍を機に三浦にセカンドハウスを持つ東京人(特にあらゆる分野の玄人)は増えているという。三浦という町には、心をつかむなにかがあるのだろう。按田さん、移り住みたくなるほどの魅力を教えてください!

photo: Hikari Koki / text: Shoko Yoshida

「三浦半島は東京方面からのアクセスがよく、日帰りで行ける観光地。ですが、西海岸(相模湾側)、東海岸(東京湾側)、突端(三崎エリア)、内陸(やや横須賀市寄り)とではエリアごとに気候が違うので、住んでいる人の雰囲気も違うしお店の様子も違う。日帰りで本当に三浦半島を楽しめるのかは謎。

電車で来るなら、駅前でレンタサイクルを借りるのがおすすめ。一番の魅力はその景色だから、あてどなくぶらぶらするのが気持ちいい。お天気が良い日を狙って来ると最高。前もって誰かと約束なんてしないで一人で思い立って来るのが似合うところ。

でも、もはや住んでみるというのもアリかもしれないですよ!?先ほども町内会の集まりに行ったら、『海外出張が多いので羽田空港まで京急線1本で行ける三浦に引っ越してきたんです、車でも45分だし』と話す都会から引っ越してきた方がいました。やはりそうでしたか!と心の中で抱き合いました。

“もしもこの街に引っ越したら”という目線で巡ってみると楽しい、私が住む三浦の内陸スポットを中心に紹介したいと思います。

チャラ直、SYUYU、爆安屋は三崎口駅からの一本道にあって私の生活動線。その間にスーパーマーケットとホームセンターと按田餃子三浦工房があるのだから、魅力的なインフラだと思いませんか!」

チャラ夫の直売所

パワフル農家が出迎えてくれる、懇切丁寧な青果直売所

京浜急行線三崎口駅から横須賀方面のバスに乗り、「和田」で降りてすぐ。バイクのナンバープレートで彩られた、ひときわ目を惹くウエスタンカラーの建物は、“チャラ夫”こと農家の大井慎一郎さんが営む直売所だ。

春は三浦といえばの春キャベツ、夏は糖度の高い品種を厳選したメロンとスイカ、秋は独自に研究・栽培をしているイチジク、冬は自然な甘味の青首大根。季節ごとに、新鮮な作物が美しく陳列される。

そこには、代名詞の“チャラい”とは正反対の細やかで丁寧な心が宿り、地元民から大好評。大井さんは冬でもタンクトップ(胸板が厚すぎるため、腕回りを動かしやすい形状の上着ということでいきついた)で、いつでも意気軒昂。大井さんと喋ると元気がもらえるので、もし会えたらラッキー。

ジャンボリー浜

海藻と一体化して過ごす、海のなかの岩場

三浦半島南部の海岸の多くでは、硬くゴツゴツとした岩礁が海面から顔を出す、ワイルドな光景が見られる。海底に堆積した泥や砂が、気が遠くなるほどの時間をかけて泥岩や砂岩となり、その地層が隆起したためである。

京浜急行線の三浦海岸駅から「剱崎(つるぎざき)」というバス停で降りて20分ほど南下するとたどり着く「ジャンボリー浜」もそんな場所。

ここでは、海の中にも隠れた岩場が。潮の流れが速いので、岩場に生えるあらめにつかまって海藻と一緒にゆらゆらするのが面白い。夏以外は、浜辺に布を敷いて読書をするのもまた贅沢。しかも隠れた野草スポットでもある。人はいるが、それぞれが自分だけの時間を過ごせるので、一人で訪れるのがおすすめだ。

酒肴懐石 よのすけ

目に映るすべて、口にするすべてが、酒をうまくする

古きよき町並みが残る三崎港の、鮮魚店などが並ぶノスタルジックな通りに凛と佇む。着物姿の夫妻があたたかく出迎えてくれる店内は、靴を脱いで座る掘りごたつ式のカウンタースタイル。

都内で出張料理人をしていた寺尾研さんによる懐石スタイルのおまかせ肴は、旬魚のお刺し身、季節の出汁巻、旬菜の天ぷら、お椀、鶏レバーのコンフィなどの珍味、魚か肉が選べる主菜などと続く。どれも、肴らしくポーションは少なめで、三浦野菜と港の魚介をふんだんに使った、細部まで行き届いた味。それでもコースで一人5,500円とお財布に優しく、軽めから深めまでバランスよく揃えた日本酒やワインをたんと嗜んでも一人10,000円前後。この一軒のためだけに、都内から電車やバスを乗り継いででも向かう理由は十分にある。

COFFEE&GALLERY SYUYU

オープンまもなく、ローカルの憩いの場に

「和田」と呼ばれるこのエリアでは、三浦で自家栽培された小麦を使ったパンの店〈充麦〉が人気。昨年10月、その隣にカフェが誕生した。店主は、〈充麦〉で働いていた落合ちひろさん。朝8時から夜6時まで通しで開いていて、早くも住民の憩いの場となっている。

落合さんが三浦移住前に香辛料メーカーに勤めていた経験を生かしてつくる甘口スパイスカレー、常連人気が高いバナナジュース、そのおともにしたい自家製レモンケーキ。そのどれもが、落合さんの人柄がそのまま表現されたようなマイルドでほっとする味わい。

特等席は窓際のカウンター。農家さんの軽トラや登下校中の小学生などが時折通り、のどかな時間に心も安らぐ。お昼時や休日は混み合うので、平日の早い時間に行くのがおすすめ。

爆安屋 三浦店

三浦住民を支えるレスキュー集団

すべてが爆安価格のリサイクルショップ。工具や家電、生活雑貨から趣味の着物や民芸品まで幅広く取り扱う。一方で、毎日品揃えが変わるので、行ったその日に好みのものがあるかどうかも分からないというスリリングな店。三浦という土地柄、農機具や漁船が突如ラインナップされることもある。

だが、それは単なる一面で、住民にとって実に頼りがいのある“なんでも屋さん”。不用品の回収・買い取りはもちろん、生活の些細な困りごとまで、ほぼすべて解決してくれる。「枝木を伐採して」「草刈りお願い」「電球替えて」「買ったベッドを組み立てて」。各分野のエキスパートが揃っているため、過去には「家に侵入したコウモリを捕まえて」といった依頼に応えてきた実績も誇る。

FEATURED MOVIES
おすすめ動画

BRUTUS
OFFICIAL SNS
ブルータス公式SNS

SPECIAL 特設サイト

FEATURED MOVIES
おすすめ動画