今後100年使える新しい言葉が生まれるかも?素敵じゃないか・柏木が企画する『にほんごお笑いフェス』が開催

【日本語漫才】……「言葉の面白さや言い方の妙などに特化した漫才のこと。言語学漫才と文学漫才の二つに分けられる」。芸人の世界にあふれる曖昧な感覚や現象に新しい名前をつけていく取り組み『芸辞苑』。素敵じゃないかの柏木成彦さんが普段からトークライブとして神保町よしもと漫才劇場で開催する企画が今回言葉に特化したライブとして5公演展開。出演するドンデコルテの渡辺銀次さん、豆鉄砲の東健太郎さんとお笑いの言葉について語る。

photo: Jun Nakagawa

言葉を使って「面白い」を作るスペシャリストです

柏木成彦

漫才で言葉の面白さを表現すること、そういう部分にフィーチャーしているメンバーを集めました。

渡辺銀次

柏木はもうずっと日本語の話をしている。今のもフューチャーって言っていたら「フィーチャーな」って言う人間が集合するライブです。

東健太郎

メンバーも柏木さんが選んでくれたんですか?ありがたい。僕が出る5公演目の『第1回空想あるある選手権大会』はこのライブで初開催。

柏木

言葉って、みんなの共通意識を、意味を込めて音にしたものなので、空想のあるあるを言葉にするっていうのが言葉遊びとして純粋に楽しいかなと。

渡辺

本当に、言葉の好きなところはそこで。例えば、物理学的に光が宇宙で一番速いじゃないですか。でも、「光より速いもの」って言うだけで、光より速いものを定義できる。

柏木

そうですね。世界一強い銃に勝つ銃、って言うだけで、それより新しい1個上の概念を作れる。

渡辺

ただ、こういうところからネタは全く作れませんね。

柏木

こういうのってインタレスティングすぎて、ファニーと共有できないんですよ。インタレスティングすぎたら、漫才に落とし込めない。興味深いなと思うだけで、笑って同時にリアクションできないんです。バカバカしさが、お笑いには絶対必要なので。そこをうまくやっているのが、ドンデコルテさんの漫才かなと思います。

渡辺

我々は振りで使うんでね。切り口という点では、豆鉄砲のネタは、話はバカバカしいけど、切り口がインタレスティングでやっているかなと思う。

柏木

東はみんなが考えなかったことを、わかりやすく言葉として説明するのがめっちゃうまい。アイデアを生み出した人間として責任を果たしている。

難しい言葉を使っていても、表情とか、アホっぽいしゃべり方をするだけで受け入れやすくなったりするのは、やっていて面白いですね。同じことを、もっとかしこまった話し方でカッチリした人がしゃべったら、もう耳に入ってこないという人もいるかもしれない。

柏木

多分、僕とか渡辺さんが言ったら怖くなる。

渡辺

真逆の手法だからね。僕は文語風の言葉をしゃべるようにしていますね。大衆の見栄を利用するというか、聞き逃しちゃダメだなって思わせる。

柏木

僕はめっちゃ砕けたネタもするし、ガチガチにかしこまったネタもする。ちょうど真ん中かもしれない。

素敵じゃないかさんは、漫才のパターンが多いので衣装とか関係なく、純粋に言葉の面白さを追求している。

柏木

言葉をお笑いにするのって、ものすごい時事性と、ものすごい普遍性の両極だと思うんですよ。流行とか文化とか、みんなが生きている文脈からの外しでボケや笑いを作っていく。ドンデコルテさんや、豆鉄砲もそれができていると思うし、僕も絶対にしたい。

渡辺

もうどん詰まりだと思っているところでも、こういうのあったんだというものに出会える。その期待度が高いライブにしたいですね。

言葉を使って面白いものを作るスペシャリストたちが集まっているはずなので、お客さんが帰りたくなるくらい、やばい瞬間を見せたいですね。誰もが使える共通のツールで遊んでいるので、そこまでいけると思います。

柏木

名前がない感情に名前をつけるのが言葉です。今後100年使える新しい言葉が生まれるかもしれません。

東 健太郎、柏木成彦、渡辺銀次
左から東 健太郎、柏木成彦、渡辺銀次
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