家族というフォーマットを拡大した映画『レンタル・ファミリー』。俳優・平岳大が作品を語る

時は現代の東京。家族の代役を演じるアメリカ人俳優、「レンタル家族」の代理店に出入りする多様な人々、そして何らかの悩みを抱えたクライアントたち……。2月27日に全国公開される映画『レンタル・ファミリー』は、様々な家族と、背後の事情が複雑に絡み、さらにアメリカ人俳優という移民の視点が加わり厚みのある物語となっている。今回は、代理店の社長でありながら、レンタルの場で様々な役を演じる多田信二役を演じた平岳大さんが来日。「監督からはカメレオンのような男って言われた(笑)」とエピソードを話してくれた。

photo: Katsumi Omori / hair & make: mio / text: Keiko Kamijo

レンタルで実現する、新たな時代の家族像

平さんはこの映画の脚本を読んで、「日本とアメリカの両方を知る人にしか書けない脚本」だと共感しオーディションに応募した。

「家族の“お涙ちょうだい”的な事情だけではなくて、アメリカ人に特有のちょっとドライな感じというか。感情で物語を押し進めるだけではなく、俯瞰した目線で見て、ストーリーで引っ張っていくところに説得力を感じました。また、登場人物たちに、社会のはみ出し者が多いのにも魅力を感じました」

平 岳大

俳優の演技と社会での役割、物語に複層する「演じる」こと

「主役のフィリップ(ブレンダン・フレイザー)も落ち目の俳優で、ミッドライフクライシスに陥っているし、僕が演じた多田もそう。監督のHIKARIさんいわく“カメレオンみたいな男”です。

経営者でもあり俳優もしていて、人生うまくやっているように見えて、実は自分自身と向き合えていない。実は多田には、さらに一歩深いストーリーがあったんですよ。泣く泣くカットされてしまいましたが(笑)。

平 岳大

そんな感じで、ほかの人にもそれぞれ人生がある。物語が進むにつれて、だんだんと役を演じることと現実の境が曖昧になっていくのが、この物語の面白いところです」

人々が社会の中で嫌が応にも背負ってしまう職業や属性という「役割」と、俳優として演じる「役」。どちらが本当の自分なのか、そして、演じる(噓をつく)ことは本当に悪いことなのかを考えさせられた。

家族観が問い直されている現在、さらに家族のイメージをアップデートできる作品だ。「家族って、3つの“ち(地・血・知)”って言われていますよね?映画を観終わった後は、その3つを超えた新しいつながりについて考えたい。そんな映画だと思います」

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