尖っていても、アイドルらしさは残したい
2019年からプロデューサーのヨロコビさんと仕事をしていて、20年に〈situasion〉が結成される時に、お誘いいただいてグループのサウンドプロデューサーになったんです。〈ヨロコビ〉さんのコンセプトは、一般的なアイドル像とはまったく異なるグループで、キャッチーな要素を意図的に省いている感じがあります。
曲は僕が主体になって書いていくのですが、曲調に関するリファレンスも、聴いたことのないような音楽ばかり届く(笑)。無理難題が多いですが、せめぎ合いながら形にしていく作業はチャレンジングで、面白いんですよ。
ライブアイドルのお客さんは、メンバーの声と歌を聴きに来るので、やっぱり歌は聴きやすくないといけないと思っています。音数の多い、変拍子のリズムなど、難解な楽曲の多い〈situasion〉ですが、アイドルらしさを残す努力をしています。まずは、口ずさみたくなるようなメロディ。

それから、近年〈situasion〉に用いている楽曲の構成ですが、イントロや間奏で使うベースやシンセのフレーズを、曲の最後のサビで歌詞をつけて歌ってもらう。曲の頭から繰り返し刷り込まれているリフだから、キャッチーにも聞こえるし、すごく癖が出ますね。
夜光性アミューズやのんふぃく!など、〈HEROINES〉関連のアイドルにも楽曲提供をしていますが、どういうファンダムのグループなのかを意識して制作するようにしています。〈HEROINES〉は女の子のお客さんが多いので、いきなり楽曲派と呼ばれる硬派な曲調は受けない。そのへんを意識して、微調整しながら曲を作るのが楽しいですね。
磯野涼の印象深い3曲
2025年発表のセカンドアルバム『NIGHT AMUSE』に収録。23年制作曲。「テーマパーク感のあるオーケストラで幕を開け、AメロはEDMっぽく、Bメロでまたオケ、サビでオケとEDMが混ざる」
2024年に発表された同名アルバムのタイトル曲。「歌詞でグループの武骨さを表現できました。かなりラウドかつハードな曲ですけど、最後にビートダウンを入れられて、個人的に満足しました」
2023年発表のEP『The immortal envy club』に収録。「アイドルソングで4分50秒の長尺の曲を作らせてもらいました。ずっとアルペジオギターの抑えた伴奏が続き、最後に大爆発するという曲」