【今日のギフト】米のうまさを噛みしめる。〈まるそう一福〉のちいまる

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text & edit: Yoko Fujimori

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米菓を愛するあの人へ
地元産米&無添加で作るひと口サイズの草加せんべい

〈まるそう一福〉のちいまる

江戸時代、草加宿の「おせんさん」が売れ残りの団子を薄くのばして焼き、売り出したのが「せんべい」のはじまり、という一説があるように、せんべい発祥の地とされる埼玉・草加。ちなみに草加せんべいには、製造する地域や原材料となるうるち米の生産地、そして職人は10年以上の経験が必要……といった厳格な基準が設けられ、伝統の味を大切に受け継いでいる。

そんな草加市の老舗米菓店の一軒が〈丸草(まるそう)一福〉。現在、せんべいやおかきの業界は“生地”を生地屋から仕入れ、焼きや味付けのみを自社で施して販売するメーカーが大多数なのだが、〈まるそう一福〉は米を蒸し上げ生地から作るという昔ながらの製法を守る国内でも稀少な1軒だ。

原材料のうるち米は地元産の一等米、または契約農家の質の高い米を玄米で仕入れ、生地を作る直前に精米する。これだけでも驚くが、蒸して丹念に搗き上げ、生地に負担のかからない蒸気乾燥で時間をかけて乾燥させるという、全工程に妥協なく手をかけて作られている。

草加せんべいの命とも言える醤油は、丸大豆100%、大豆、米、塩のみで作る生醤油にほんの少しのみりんと砂糖を加え、味わいの角を丸く整える。

そう、無添加で仕上げるのも〈まるそう一福〉の信条のため、香料や保存料などは一切不使用。純粋な米のおいしさが味わえるのだ。

丸く大きな堅焼きも草加せんべいの醍醐味だが、老若男女世代を選ばず喜ばれるのが、ひと口サイズのその名も「ちいまる」シリーズ。直径約2㎝のサイズ感が食べやすく、ベーシックな醤油から黒こしょう、カレーなど味わいもバラエティ豊か。もちろん味付けは無添加のため、「えび」味なら材料は「国内産うるち米、えび、米油、食塩」という潔さ……!

調味料は決して主役でなく、米の味を引き立てる伴奏者。最初のひと口目は淡い味付けに感じるかもしれないが、噛むほどに米の旨みがじんわり広がることが分かるはず。これぞ、本来のせんべいの味!米菓好きの友に自信を持って贈りたい。

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