民謡は、温泉のような音楽。神保町〈ブックブー〉で、伝統文化に触れて日本に出会い直す

神保町〈ブックブー〉の店主・菊原清史さんに聞いた、民謡を聴く楽しみ。

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: BRUTUS

「明治維新、戦争、高度経済成長。たった100年ほどの間に、日本の文化はどんどん薄まってきた。民謡を聴くと、そうした失われた文化に触れることができるんです」

そう教えてくれたのは神保町〈ブックブー〉の店主・菊原清史さん。民謡のレコードや関連本、民芸品などを扱う店だ。

「もともと沖縄民謡は好きで聴いていましたが、本腰を入れて日本の音楽として民謡を追い始めたのは、レコードを探しにスーダンを訪れてから。土着色たっぷりのスーダンポップスが流れるタクシーに乗って、ローカルな風景を眺めていたら、強烈な異国情緒を感じたんです。現地の音楽大学で学生さんたちとも話す中で、自分の国の音楽を知らないことの矛盾が身に染みました」

一口に民謡と言っても、時代も地域も様々だ。最初の一枚のおすすめは?

「まずは自分のルーツと言える土地のものを聴いてほしいです。かつてはご先祖たちもこんな音楽で歌って踊っていたのかもと想像すること。足元を掘ったら温かい温泉が湧いたような感覚、と言ったら大袈裟でしょうか?民謡を聴く楽しみの一つです」

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