学術の殿堂で、学びの時間を過ごす。京都の時を忘れるミュージアム6選

時を超えて残ってきた文化財や美術作品、同時代の現代アートやマンガといった展示品はもちろん、贅沢な立地 環境と建築空間も魅力的なミュージアムの多い京都。文化庁のお膝元で、学びの時間を過ごしたい。

text: Atsushi Takeuchi

京都府立植物園(北山)

地下鉄で気軽に行ける植物のパラダイス

2024年度の入園者数は90万人を超えるなど、京都人に日常的に愛される〈京都府立植物園〉。それでも甲子園球場約6個分という広大な敷地面積のため、いつも人混みとは無縁。園内をゆるりと散策するだけで植物を伴った様々なランドスケープを体感できる。

樹齢100年前後にまで育ってきたケヤキ並木やクスノキ並木、約4,500種の熱帯植物が見られる観覧温室、大小4つの池に囲まれた原生林〈なからぎの森〉に、ベニテングタケをモチーフにしたキノコ形の野外図書庫の〈きのこ文庫〉まで。

園内をゆるりと散策しながら、自分好みのスポットを見つけて楽しみたい。見頃の植物を紹介している毎週更新の頼りになるガイド『植物園たより』もお見逃しなく。

白沙村荘 橋本関雪記念館(北白川)

庭園から建物まで自ら設計した画家・橋本関雪の理想郷

橋本関雪は、大正~昭和期に活躍した京都画壇を代表する日本画家の一人。国内外の美術館にもその作品がコレクションされている。そんな関雪自らおよそ30年をかけて設計、作り上げていったという庭園と、自邸、画室、茶室、持仏堂などの建物が私設美術館として公開されている。

大文字山を借景とした広大な庭園には、これも彼自身が集めた石仏や石灯籠が点在し、こちらの空間全体が橋本関雪の作品とも言える。庭園の一角に建てられたモダンな美術館内では、関雪の絵画作品に加え、蒐集癖(しゅうしゅうへき)があったという関雪による美術コレクションを展示。

展示室の2階は庭園の眺めまでも取り込んだ開放的な空間で、自然光の中で作品を鑑賞することもできる。

京都国際マンガミュージアム(烏丸御池)

芝生でのんびりマンガ読み放題。企画展示でマンガの世界も広がる

日本初のマンガの総合文化施設として、数多くの貴重なマンガ資料を所蔵する〈京都国際マンガミュージアム〉。自由に手に取って読める形でも約5万冊が館内各所に配置されて、誰もがよく知るマンガはもちろん、1970年代の古いマンガや、世界各国のマンガ、子供向けの学習マンガなども。

気持ちのいい季節には芝生のグラウンドに寝そべって、マンガを読み続ける多くの人の姿もこのミュージアムの風物詩だ。一方で、日本のマンガ研究を牽引する研究機関としての顔も持ち、それらの成果を反映した展示企画が常にいくつも行われている。海外からの注目が集まり続ける日本のマンガ文化、その深みと広がりも同時に感じられるはず。

泉屋博古館(鹿ケ谷)

京都有数の別荘地で、古代中国の青銅器に歴史を見る

今の住友グループの礎を築いた住友吉左衞門友純が集めた美術コレクションを中心に展示している〈泉屋博古館〉。その中心にあるのが世界有数と名高い古代中国の青銅器コレクションだ。動物を模したものも多い、その独特な造形と文様は見れば見るほどに不可思議で、これが3,000年以上も前に作られたという事実に驚かされるばかり。

美術館の建物は、友純が別荘地として購入した鹿ケ谷(ししがたに)の地に、1970年の大阪万博の際、住友グループにより世界各国からの訪問者をもてなすための迎賓館として建てられたモダニズム建築。2025年4月には約1年間の改修工事を終えて、見えづらくなっていた建設当時の意匠に光を当てる形でリニューアルオープンした。

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都駅)

街に開かれた芸術大学の大規模なギャラリー施設

京都の郊外から、京都駅そばのエリアへと京都市立芸術大学がキャンパスを移したのは2023年10月のこと。それに伴ってリスタートした〈@KCUA〉は、学内施設でありながらも公道からフラットに接続して入りやすく、街に開かれた京都市立芸術大学の一つの顔のような存在になっている。

専門のキュレーターを置いての展示企画は、在校生や卒業生だけにとどまらず、国内外の作家を招聘(しょうへい)しての特別展なども開催。公のミュージアムでは実現しづらい、実験性を含んだ、挑戦的な展示が見られることも少なくない。複数の美術大学が拠点を構え、日本でも現代美術の盛んな都市となっている京都にあって、現在進行形の美術展が見られるスポットとなっている。

京都国立博物館(七条)

およそ5万m2もの敷地面積を誇る京都国立博物館は、明治30(1897)年に帝国京都博物館として開館した日本で3番目に古いミュージアム。

展示は、日本が誇るミュージアム建築の第一人者、谷口吉生設計による2014年開館の平成知新館で行われ、モダンながらも、日本の伝統建築を思わせるモチーフを取り入れた空間で、貴重な美術品の数々を見ることができる。

大規模な特別展に注目が集まりやすいが、そもそも国宝・重要文化財だけでも数多くの作品を収蔵する日本有数の博物館だけに、平常展示でも見応えは十分。特別展ほどの混雑が見られない日が多く、ゆっくりと作品に対峙できる。特に貴重な仏像が一堂に見られる、1階の彫刻展示室は見逃せない。

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