ノスタルジックな雰囲気が色濃く残る。“全タイが泣いた” 映画の舞台、 タラート・プルーへ






駅のホームと食堂が一体化している、国鉄タラート・プルー駅。以前から安くておいしいローカルフードが多く、地元では知られた街だったが、この街が舞台となったタイ映画『おばあちゃんと僕の約束』で、改めて注目を浴びることに。タイ全土を魅了させた、その沁みる街並みへ。




photo: Koh Akazawa / text: Akiko Yoshikawa

「カーンカーンカーン!」と遮断機の音が鳴り響き、駅員が旗を持って駅のホームに立つと、年季の入った列車がゴトゴトと滑り込んでくる。ここは国鉄タラート・プルー駅。古い街並みや、華僑の人々のコミュニティが残る地域だ。

駅のホームと食堂が一体化しているのは、タイ国鉄の駅ではお馴染みの風景。改札がなく、自由に行き来できるので、列車に乗らない人もここで食事をし、おかずを買って帰っていく。

“タラート”とは、タイ語で“市場”を意味する。高架下にある〈タラート・プルー〉(プルー市場)は新しく整備され、屋台が整然と並んでいるが、入口周辺にテーブルを出して、マークルック(タイの将棋)に興じる老人たちの姿は今も昔も変わらない。

カイニーアン
ココナッツアイスに卵黄をのせた「カイニーアン」が人気。

著しく発展したスクンビットから車で約30分の場所ながら、ノスタルジックな雰囲気が色濃く残るタラート・プルーは、以前から安くておいしいローカルフードが多く、地元では知られた街だった。それが、2024年に国内外で大ヒットしたタイ映画『おばあちゃんと僕の約束』で、この街が舞台となる。

情緒あふれる美しい映像が人々を魅了し、改めて注目を浴びることに。駅に映画の写真が飾られ、食堂の店主が、「ここで撮影をしていたんだよ」と教えてくれるが、街の人々の営みも、のんびりとした雰囲気も変わってはいない。

“アジアのA24”ことGDH 559の話題作『おばあちゃんと僕の約束』
大学を中退した青年・エムが、遺産目当てで末期がんの祖母・メンジュの元に押しかける。慎ましく生きる祖母と暮らすうちに、彼の心境は変わっていき……。

食堂から声をかけて、舟の行商人から、アツアツ焼き鳥を買ってみた!

ヤイ運河にせり出した食堂〈バーン・リム・ナム〉。食事中に運河をよく見ると、夫婦が舟の上で焼き鳥を焼いているではないか!

呼びかけると素早く店に横付け。注文するとビニール袋に入れてくれて、お金を払う。店内で食べることもできる。逆に川沿いの住人が舟で来て、食堂のメニューをテイクアウトしていくのも日常的な風景。

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