さらにディープな韓国旅行を。ソウルでしか食べられない異国料理を求めて、3つの市場へ！

ソウル西南部の大林中央・加里峰市場は、一歩足を踏み入れた瞬間、異質な雰囲気に包まれる。大林には漢民族が、加里峰には韓国系中国人である朝鮮族が多く暮らし、中国語と韓国語が飛び交うざわめきが市場の日常を彩る。ゴマ油と韓国唐辛子の香りが漂う一角には、大きなインゲン豆やトウガンなどの中国野菜が並び、隣の店では、キムチやスンデ（血入りのソーセージ）、そして中国で親しまれているヒマワリの種やアヒルのいろんな部位が売られている。韓国と中国の文化が融合した、ほかではなかなか見られない光景が広がっている。

東大門市場周辺には、中央アジア通りというユニークな通りがある。韓国ならではの店々の合間に、ウズベキスタン、ロシア、モンゴルなどのレストランが並び、多様なルーツの人々が店の前で談笑し、パンを焼いている。羊肉やウォッカ、チョコレートなどを扱う食材店も目を引く。さまざまな文化が交錯するエリアを通じて、ソウルの奥深さと魅力をぜひ実感してほしい。

大林中央市場（デリムチュンアンシジャン）

1970年代、ソウル西南部の製造業の発展とともに誕生した市場。かつては地域経済を支える商業の中心地だったが、2000年代初頭から風景が一変。中国からの労働者が流入し、彼らの食文化に根ざした食材が軒を連ねるようになった。市場のある町の住民9割を外国人が占め、今やソウル最大のチャイナタウンとして独自のカオスを放つ。中国語が飛び交い、サイズの大きい蒸しパンや葱餅（ツォンピン）、油条（ヨウティヤオ）、中華惣菜を売る屋台や麺料理の店が並ぶ。

大草原ヤンコチ

自動で回転する羊串も見ていて楽しい

ドラマ『梨泰院クラス』に出演したホン・ソクチョンや『SNLコリア』のチョン・サンフンも訪れた羊串専門店。本場の雰囲気の中、濃厚でジューシーな熟成羊肉を堪能できる。水餃子やトウモロコシ温麺も人気のメニュー。

チョンソンワンクァベギ

ねじりドーナツをかじりながら市場を散策

店内で揚げたての麻花（マーファ：中国風ねじりドーナツ）やパンを提供する店。大きなねじりドーナツが目の前で揚げられ、香ばしい香りが通りに広がる。揚げたてならではのカリッとした食感と香ばしさが魅力で、多くの人を惹きつける。

加里峰市場（カリボンシジャン）

ソウル西南部の九老区（クログ）に残る、韓国産業化の記憶をとどめた市場。工業団地設立前からの地元住民、地方から来た工場労働者、コリアンドリームを追う朝鮮族や中国人労働者らが居住する。本場の中国東北料理が味わえる店が立ち並び、高層ビルや新築アパートに囲まれながらも、ここだけ時間が止まったような独特の空気が漂う。マ・ドンソク主演の映画『犯罪都市』をはじめ、韓国フィルム・ノワールにたびたび登場する舞台として有名。

ウォルレスンギョジャグァン

ソウルで楽しむモチモチ中国式餃子の味

中国に留学していたソウルっ子もよく訪れる本格的な中国式餃子の人気店。一番人気は焼き餃子。もちもちの皮に濃厚な肉汁が絶妙なバランスで、小さめな一口サイズ。黒酢との相性も抜群だ。度数の強い中国酒の種類も豊富。

ヨンギルスニネンミョン

韓国風味が加わった東北地方の中華料理

中国吉林省延辺朝鮮族自治州・延吉の料理が味わえる。その地域は中国でありながら南側が北朝鮮と接しており韓国と中国の食文化が融合している場所。延辺料理を代表する地三鮮や唐辛子粉がかかった吉林延吉冷麺を存分に味わおう。

東大門中央アジア通り（トンデムンチュンアンアシアコリ）

ソウル東大門区に位置し、ウズベキスタン、カザフスタン、ロシア、モンゴルの伝統料理を提供する専門店が集まるエリア。1980年頃、ロシア、モンゴル、カザフスタンなどから来た物売りたちが東大門歴史文化公園駅近くに集まり、この通りが形成され、彼らが定住し、店舗や飲食店を開いたことで、今日の中央アジア通りが誕生した。スパイシーな料理やボリューム満点なグリル料理が並び、サムサや羊肉たっぷりの串料理が特に人気。

ロシアケーキ

ロシアスイーツと紅茶で旅の疲れを癒やす

ロシアの伝統菓子が揃う人気店。コクのあるクリームと繊細な生地が特徴で、サワークリームや蜂蜜を使ったケーキが楽しめる。甘さと酸味のバランスが絶妙で、一度食べると忘れられない。ボリュームも満点で、味もお腹も大満足だ。

グランドサマルカント

伝統と家庭的な味、ウズベク料理の人気店

通りに数多く並ぶウズベキスタン料理店の中でも評判の店。白を基調とした広々とした店内には伝統的な装飾が。料理はウズベク風のピラフ「プロフ」やトマトベースの麺料理「ラグマン」等、家庭的な料理を手頃な価格で提供する。