かっこいい大人たち。〈OUR LEGACY〉共同設立者、ヨックム・ハリン

世界で活躍する人たちは、今何に興味があり、どんな挑戦をしているのか。かっこいい大人たちを訪ねました。まずは、ストックホルム発の〈OUR LEGACY〉共同設立者、ヨックム・ハリンから。

photo: Nils Junji Edström / text: Momoko Ikeda

オーセンティックな服をDIY精神で作りだす

2025年に20周年を迎えたスウェーデン発のブランド〈OUR LEGACY〉。幼少期からのアイスホッケー仲間であるヨックム・ハリンとクリストファー・ニーイングの2人が、グラフィックTシャツのみの展開で2005年にスタート。

その後ビジネス面でのサポート役としてリカルドス・クラレンが参加して以来、3人で活動を続ける北欧ブランドだ。ベーシックな服作りに音楽やストリートのエッセンスがセンスよく混ざり合ったコレクションで人気を博すブランドへと成長し、現在はミラノで毎シーズン新作発表を行っている。

ブランドマネジメントを担当するヨックムは、10代から20代頭までミュージシャンとして活動していたこともあって、音楽、またスケートボードやスノーボードといったカルチャーの影響が服作りに強く反映されているという。

「スウェーデンの小さな町でネットもない時代にスケートボード雑誌やMTVを見て育ったんだ。ニルヴァーナやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンからはグランジを、スケートボードからはパンク精神を受け取った。音楽活動をしていた頃は自分たちでTシャツにプリントしたり、ツアーのブッキングやレコードのリリースまで自費でやっていた。そんな“ただ座って機会を待つのではなく、自分で動いて手に入れる”というDIYのマインドが〈OUR LEGACY〉にも入っている」

異例の組み合わせで生まれる今までにないコラボレーション

クリエイションの一つとしてグラフィックTシャツで表現をしていた彼らだが、セーターやシャツなどアイテムの種類を増やすようになってからも、自分たちに宿るDIYの精神で自己表現の方法を探り続けてきた。

「2000年代初頭の頃はスキニージーンズがメインストリームで、ロックな雰囲気も強くて、自分たちが着たい服がなかった。僕らが欲しかったのは洗練されたボタンダウンシャツやケーブルニットといったジェントルマンなアイテムに、少しだけパンクなアティテュードが加わったムード。ファッションスクールに行くわけでもなく、ファブリックについても独学で学びながら、一歩一歩進んできたよ」

そんな彼らが“WORK SHOP”という、サステイナブルをテーマにしたスピンオフ的な活動を始めたのは16年のこと。その中で2023年に発表された〈EMPORIO ARMANI〉との異例のタッグも記憶に新しいのではないだろうか。双方が持つエレガンスを見事に融合したコレクションで話題を呼んだ。

「そもそも、“WORK SHOP”プロジェクトはブランド創設から5年ほど経った頃に、倉庫にたまっている余った生地に気づいたことから始まったんだ。僕らは生地には特にこだわりを持っていて、自分たちで開発するほど。にもかかわらず、それらが使われずに置き去りになっているというのはとてももったいない。だから、アップサイクルしようと考えた」

それからというもの、東京の〈ドーバー ストリート マーケット ギンザ〉をはじめ世界各地でポップアップを実施。余剰生地にハンドペイントや刺繍、染め直しなどを施し、新たな価値を持った一点ものへと生まれ変わらせ世に送り出してきた。さらにはほかのブランドにもそのマインドを伝播させるべく、最初の相手として〈STÜSSY〉にアプローチし、以来7度のコラボレーションに至っている。

〈OUR LEGACY 〉共同設立者・ヨックム・ハリン
ヨックムが着ているのは、デッドストックのイタリア製ウール・フランネルを使用した〈OUR LEGACY WORK SHOP〉のシャツ。ミニマルなデザインの中にパールのボタンやボタンダウンの襟といったディテールが光る。

「〈STÜSSY〉のLAの倉庫に古いファブリックがたまっているということを知り、その生地を使って〈OUR LEGACY〉のデザインを施すのはどうかと思いついたんだ。ブランド同士のコラボレーションはそこら中で起こっているけれど、ただロゴを2つ並べるだけのものも多い。でもこの方法なら目的のある理にかなったコラボレーションになると考えた。“WORK SHOP”という取り組みは、様々なカルチャーを持つ人たちがそれぞれの技術を持ち寄る場になればと思っているよ。

最近はフード業界にも興味があって、ポップアップレストランをやったり、次のコレクションではレストランやナチュラルワインをテーマの一つにした。僕らなりのやり方で、業種の壁をどんどん超えていくつもりだよ」

〈AURALEE〉岩井良太に聞く、ブランドのこれまでとこれから

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